この連載は月1回、「ふたまたがわ歯科口腔外科」の中谷逸希院長が気になるお口のあれこれについてわかりやすく解説してくれるコーナーです。
年末年始は忘年会や新年会など、お酒を飲む機会が増える人も多いのではないでしょうか。今回は、そのような機会が増えて起こりやすくなる口内の怪我についてお話し
ます。
例えば、酔っぱらった際の転倒によって歯が欠けたり、折れたり、抜けたりすることがあります。欠けている程度であれば緊急性は少ないですが、折れてしまったり、歯が抜けてしまった場合は、痛みの有無にかかわらずなるべく急いで歯科医院へ受診するようにして下さい。神経の治療や、抜けた歯を戻すのに時間が経つとうまく治療をすることができなくなることがあります。
また、顎を強く打った場合には顎の骨折をしていたり、外傷性顎関節症になっていたりすることが稀にあります。噛み合わせに違和感があるほか、口がうまく開かない
場合は、口腔外科に受診するようにして下さい。
他にもこの時期は鍋料理やおでんなど、熱い食べ物を食べる機会も増えますが、急いで食べることで口の中の粘膜を火傷することも珍しくありません。酔っていて気づかなかったけど翌日口の中が痛い、出血しているなどの症状があった場合には食事の妨げにもなるため、軽視せず対応することが大切です。
楽しい年末年始を台無しにしないためにも、怪我をした場合は自己判断で放置せず、かかりつけ歯科や口腔外科に早めに連絡をするようにしましょう。