「ネット社会の今でこそ手書きのメッセージを」――。横須賀市光風台の閑静な住宅街にあるカフェKotodamA(コトダマ/大島陵店長)では、店内で手紙を書けるサービスを提供している。内容や宛先は自由。差出人の希望に応じて公開することもあり、「新社会人は失敗するのも当たり前。経験をどう吸収するかが大事!」などと不特定多数に向けた力強いメッセージが目立つ。
3月のオープン以来、1カ月あたり数人の客が書いていくといい、大島店長は「気持ちが一番入るのは手紙。考えが整理されて、読む側に伝わりやすくなる」と語る。
亡き父が遺したもの
「ファミリーハイチバンだからゼッたいにだいじダゾ」(原文ママ)――。4年前に亡くなった父・経雄(つねお)さん(享年67)が遺した手紙を、大島店長は大事に保管している=写真下。表現がカタカナ混じりなのは、経雄さんの妻で同店長の母・リタさん(62)がフィリピン出身のため。
息子は「直筆の文が持つ不思議な力を感じた。無限大の可能性を伝えたい」と使命感に駆られた。文字や内容に人それぞれの個性が生まれる手紙。自身の店で客に書く機会を提供し、その”良さ”を再認識してもらうことが狙いだ。大島店長は「さびれても、きっと残る文化なはず。皆さんも、思いを手紙にしてほしい」と話している。
手紙サービスの価格は500円から。シーリング体験(300円)なども実施している。開店時間は午前11時から午後8時ごろまで。