「りんごの棚」
宮前図書館(舟田彰館長)は10月中旬、大きな活字の本や点字本など、読書に特別な配慮が必要な人のための書籍を集めたコーナー「りんごの棚」を設置した。川崎市内の図書館では初の試みで、「読書のバリアフリー」の実現を目指す。
LLブックなど約50冊
「りんごの棚」は、本を読む際に特別な配慮が必要な子どもたちを対象に、スウェーデンの図書館で始まった取り組み。同館では、視覚障害や読み書きに困難を抱える学習障害などがある人向けに、ピクトグラムや大きな写真で説明を加えたLLブックをはじめ、大活字本、点字絵本、触って形状を楽しむ布絵本など約50冊をそろえた。
担当の直原稜さんによると、貸し出し状況は好調で、今後は書籍数を増やしコーナーを充実させていく予定。「コーナーの前に立ち止まって本を見ている利用者も多く、興味を持ってもらえていると思う。障害のある人もない人も誰もが楽しめる図書館として知ってもらえるようにしていきたい」と抱負を語った。
読書のバリアフリー
同館では、10年前から認知症の書籍を集めたコーナーを設置するなど、以前から「垣根のない図書館づくり」に取り組んでいる。
舟田館長は「利用サービスを工夫して誰もが読書を楽しめる場所にしていきたい。読書のバリアフリーを進めていきたい」と話した。
音を楽しむ読書会
同館では、バリアフリーの取り組みの一環として、11月26日(水)に川崎市視覚障害者情報文化センターと協力してイベント「小説の中の音を楽しむ会」を開催する。同センタースタッフによる朗読と小説に登場するピアノ曲の試聴などを行う。
場所は宮前市民館の視聴覚室で、時間は午後1時30分から3時30分まで。参加無料。予約制で先着30人。申し込み、問い合わせは同館。












