秦野市唯一の酒蔵である(株)金井酒造店(堀山下182−1)が10月30日、東京国税局酒類鑑評会の清酒4部門全てで優等賞を獲得しました。4部門全てで賞を獲ったのは、神奈川県では初だといいます。
この鑑評会は毎年、酒造技術基盤の維持・向上と東京国税局管内で自醸された酒類の認知度向上を図るために行われています。清酒4部門及び本格焼酎部門の5つの部門から成り、金井酒造店は清酒の各部門に出品しました。
優等賞を受賞したのは、清酒吟醸部門の『白笹鼓大吟醸』、清酒純米吟醸部門の『黒笹BLACK』、清酒燗酒部門の『白笹鼓本醸造』、清酒純米燗酒部門の『黒笹Classic』。黒笹シリーズの2種は、昨年も優等賞を受賞しています。同社代表の椎野祐介さんは「4部門全てで優等賞をいただけたことはありがたく、一歩また前進できたと思う」と話します。
「地域に酒蔵残す」
金井酒造店は明治元年創業の酒蔵で、秦野の名水で仕込んだ酒『白笹鼓』で知られています。しかしコロナ禍などで業績が悪化したため、2023年4月、椎野さんが代表に就任し事業再生に向けて再スタートを切りました。以来、伝統の技術を受け継ぎながらも、近年のトレンドを取り入れた酒造りにも挑戦しています。「『地域に酒蔵を残す』ことを目標にしているので、地元からおいしいと思われる酒造りをしていかないといけない。これまでの試行錯誤が評価してもらえたことがうれしい」と喜びを語る椎野さん。今年は「よりおいしい酒造り」を目指し、酒をろ過するフィルターの改善や、手動で行っていたもろみの温度管理を自動化するなど、生産性向上にも努めているといいます。
同社では、12月頃から今回の受賞酒の飲み比べセットを直売所で販売予定。「ギフトなどに使っていただき、秦野のお酒を広めてもらえたら。蔵をより身近に感じてもらえる環境づくりもしてきたい」と話しています。












