「なぜ石を持って帰るのか」子育て日記・その12

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「なぜ石を持って帰るのか」子育て日記・その12

散歩の途中、子どもが突然しゃがみました。

何かを拾っています。石でした。

「見て。」

見ています。石です。

「きれいでしょ。」

そう言われると、そんな気もしてきます。

「持って帰る。」

やはりそうなりますか。

少し歩くと、またしゃがみます。二個目。さらに三個目。

石には不思議な性質があります。
拾い始めると増えます。
気づけばポケットが膨らんでいました。

「そんなにどうするの?」聞いてみました。

「いるの。」

答えになっているような、なっていないような。

家に帰ると、玄関に並べ始めました。

大きい石。
丸い石。
白っぽい石。
大人の目には、だいたい石です。

「これは?」「恐竜の卵。」

なるほど。

「これは?」「宝石。」

なるほど。

「これは?」少し間がありました。「石。」

そこは石なんですね。

そういえば子どもの頃、引き出しの中にいろいろ入っていました。

どこかで拾った貝殻。きれいだと思ったビー玉。何に使うのかわからない鍵。お菓子の缶。

大人にとっては、捨てても困らないものばかりです。でも、なぜか捨てられなかった。

いつからでしょう。
石を見ても、石としか思わなくなったのは。

数日後。

玄関を掃除していると、あの石たちがまだ並んでいました。

少し邪魔です。かなり邪魔です。

一つくらい片づけようかと思いました。
でも、恐竜の卵だったことを思い出しました。
それは勝手に捨てにくい。結局、そのままにしました。

玄関には今日も、恐竜の卵と宝石と、ただの石があります。
ただの石が、一番気になります。

あなたが子どもの頃、大切にしていた「大人にはよくわからないもの」は何でしたか。

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住所

神奈川県横浜市

公開日:2026-09-07

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