名付けて「千一手(せんていって)物語」–。辻堂神台の藤沢市アートスペースで11月23日、ハンドプリント(手形)をモチーフにした企画展が始まった。デザインを学ぶ地元の大学生が作品を制作。データ化した手形を思い思いのアートに仕上げている。
学生らが「480人分の手形」収集しデジタル化
市と市教委の主催。藤沢市の五輪・パラリンピック文化プログラム事業の一環で、湘南工科大学総合デザイン学科中尾研究室が特別協力した。
市は病気や障害のある子どもたちの手形などを集める活動を全国展開する「ハンドアートプロジェクト」に協力。同施設や大学など市内で480人分の手形を集めた。
学生らは収集した手形をデジタル化。データ化した素材をもとに映像や体験型、インスタレーション作品などに取り組んできた。
独創的な映像で映し出される
展示室には、180cm四方の白いテーブル8つが並ぶ。砂で立体的にした天板に映像が映し出される仕様で、どれもが独創的だ。
3年生の三橋こすもさん(21)と留学生の喬鳴(キョウメイ)さん(22)は「海と空」をテーマに対の作品を制作。無数の手形データを集めて作った巨大な建築空間の内部を巡る3DCG動画を完成させ、「色々な角度から作品を見てもらえたら」。同研究室の中尾寛教授(58)は「一部触れる作品もあるので、見て聞いて、触覚でも体験してほしい」と話した。