十間坂に住む糸山涼子さん(38)が今年9月、自身や周囲の子育て話をまとめた4コマ漫画『母はつらいよ』を発表した。自由奔放な子どもや、無神経な発言をする父親など、子育てに奮闘する母の姿がコミカルに描かれ、同じ経験を持つ母親の間で共感を呼んでいる。
「赤ちゃん…なんていいニオイなの…♡」と出産直後に溺愛する一方で、産後一週間頃に夫が「抱っこかわってやろうか」と声を掛けると、「『やろうか…?』かわって下さいだろうが‼」と激怒する。そんな“あるある”が、10ページ15編の4コマ漫画にまとめられている。
糸山さんは、茅ヶ崎で生まれ育ち、2005年に結婚した。子どもの頃から絵や漫画を描くのが好きで、仕事先で簡単なキャラクターデザインを依頼されるなど、機会があれば筆をふるっていた。
漫画の着想は、26歳で念願の第一子を授かったのがきっかけ。これまでの生活リズムからすべてが子ども中心に激変した。「赤ちゃんが全然寝なくて自分も眠れない。朝から晩まで振り回されて一日中同じ格好でいることもしばしば。買い物中に貧血で倒れたこともある。この経験をいつか形にしようと頭の中にネタとしてストックしていた」と振り返る。
制作は今年8月頃からスタート。糸山さんは作画とネタ出し担当、夫はネタを精査する編集担当。家事が終わる夜10時から毎日2時間、原稿を執筆した。冊子は9月29日にまちづくりスポット茅ヶ崎で開催された「おやこでワイワイ商店街vol・2」で初披露、100部発行された。ファン第1号だという工藤味香さん(47)は、「自分の子育て時代を楽しく思い出させてくれる」と太鼓判を押す。
次回作の構想は、赤ちゃん編や小学生編といった成長ステージ別仕立てや、父親の子育て奮闘に焦点を当てた『父はつらいよ』など枚挙にいとまがない。糸山さんは、「世の中悲しいニュースが多い中、この漫画を読んでクスリと笑ってもらえたら」と話した。
冊子は、まちスポ茅ヶ崎で読むことができる。