火山活動や台風の影響で立ち入り規制が続いていた箱根の観光名所のひとつ大涌谷園地が、11月15日に再開した。同日から土産物店や食堂等も営業を開始。約半年ぶりににぎわいが戻った。
久しぶりのにぎわい
再開初日の大涌谷園地周辺は、久々に駐車待ちの車の列が見られた。観光の目玉でもある黒たまごの販売窓口には行列ができ、展望台付近では噴煙をバッグに写真を撮る観光客の姿があった。町観光協会や旅館組合、各関係者は訪れた観光客にサブレ等を手渡しもてなした。「天気も良く、この日を迎えられて良かった」と安堵の表情を浮かべたのは、奥箱根観光(株)の梁瀬雅之営業部長。「当初休止期間は1〜2カ月位とみていたが、予想より長い期間の休止になった。これからは箱根がひとつになり盛り上げていきたい」と話した。
台風の影響も
5月19日の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)への引き上げ以降、大涌谷園地は、施設等の保守管理業務については例外的に許可されていたが、観光客の立ち入りは制限されていた。その後、10月7日に噴火警戒レベルが1に引き下げられたことから、同月中旬に園地の再開を計画していた。しかし、12日の台風の影響で準備が整わず延期されていた。
万全の防災対策を
山口昇士箱根町長は「引き続き人的被害ゼロを目標に掲げ、必要な立ち入り規制は継続しつつ国内外から多くの観光客が安心して楽しんでいただけるよう万全の防災対策を講じていく」とコメントした。園地の開放時間は午前9時から午後5時。なお、自然研究路は安全上の理由から立ち入り規制を継続している。