寒川町立寒川文書館(宮山)が所蔵する古いマッチ箱など約6500点を閲覧できるネット上の図録が、3月26日に完成した。同館が3カ年計画で準備を進めていたもので、昭和30〜50年代の寒川町や茅ヶ崎市はもちろん全国のマッチ箱が検索・観賞できるようになった。
「三枝惣治氏マッチラベルコレクション」
「三枝惣治氏マッチラベルコレクション」は、寒川町岡田に住んでいた故・三枝さんの家族が寄贈したもの。三枝さんは町内の旧日本内燃機(日産工機)や杉山板金などで働き、歴史サークルなどでも活動。収集好きでマッチ箱や割りばしの袋などのほか、終戦まもない頃の町広報紙も集めた。その膨大な収蔵品の中には、今もおなじみの地元の薬局やスーパーマーケットなどのマッチ箱も含んでいる。
マッチ箱のラベルは広告媒体
昔は生活必需品だったマッチは流通量も膨大で、ラベルは広告媒体としても役割を果たした。
三枝さんのコレクションは収集年もはっきりしており、当時の茅ヶ崎の様子や時代背景も読み取りやすい。完成した図録は、文書館ホームページ内で閲覧でき、キーワードや業種、自治体名でもデータを抽出できる。
県内のデータを先行公開したところ、同様のマッチコレクターから問い合わせが複数寄せられたという。また、5月には小田原ゆかりのマッチを活用し、同市内で歴史をテーマにした展示も行われる予定。