中区のみなとみらい21新港地区に昨年11月に誕生した商業施設、横浜ハンマーヘッド。同施設に隣接するパーク(公園)とデッキが完成し、8月28日に全面オープンした。歴史的価値のあるクレーンを中心とした空間となり、市の担当者は「商業施設と一体となる、新たな横浜の名所となれば」と話す。
同所はクレーン・公園・デッキの3つからなる空間。クレーンは1914年の新港ふ頭整備に合わせて設置された日本初となる荷役専用のもの。2001年までの88年間貨物の積み下ろしに使われ、現在も稼働可能な状態で保存されている。近代化産業遺産や土木遺産にも認定されており、同地区のシンボル的な存在だ。
クレーンの周りの公園(約0・3ヘクタール)と商業施設は、このほど整備された長さ48m、幅6mのデッキでつながる。公園は客船寄港時の歓送演奏やイベントなどでも使用される予定だ。
”客船の港”として
新港地区は、赤レンガ倉庫などが位置する観光地であるとともに、新たに”客船の港”としての顔も。昨年は横浜港への寄港数が188回と過去最多を記録し、横浜ハンマーヘッド(新港客船ターミナル)のオープンなど、受け入れ体制の整備が寄与した。
今年は新型コロナウイルスの影響で、客船入港予定が見通せない状況だが、市の担当者は「みなとみらいやベイブリッジなどを眺望できる開放的な場所。コロナ禍でも市民や観光客のみなさまに、景観を楽しんでもらいたい」と話した。