南足柄市千津島の長井光枝さん(87)宅の庭で、2021年も藤の花が見頃を迎えている。
約1000平方メートルの敷地に「ノフジ」をはじめ、花房が短くずんぐりとした「ダルマフジ」、白い花をつける「シロノダフジ」、ブドウの房のような花をつける「ヤエコクリュウ」など7種類25本ほどの木が並ぶ。
目線の高さで楽しめる
上へと伸ばす栽培方法の「立ち木造り」で仕立てられており、一般的に知られる藤棚のように見上げることなく目線の高さで観賞できるほか、花の香りを近くで嗅いだり、触れたりできるのが特徴だ。
光枝さんの夫、故・高平さんが長年育ててきた藤で、現在は光枝さんと息子の清高さん(62)が受け継いで世話をしている。例年4月下旬ころに見頃を迎えるが、2021年は気候が暖かったことなどが影響したとみられ、例年より2週間ほど早い、3月下旬に開花が始まったという。
4月下旬にかけて見頃へ
清高さんによると、4月末にかけ、ピンクの花が特徴で庭で最大となる高さ8mほどの「アケボノフジ」などが見頃となる見込みだ。また、一般的に珍しいという黄色の牡丹の花のほか、藤の花を逆さにした様子から別名「ノボリフジ」で知られるルピナス、シラー・カンパニュラタ(ツリガネソウ)も開花する見込みとなっている。
光枝さんは「コロナ禍で人と人のつながりが希薄になる中、さまざまな人が訪れる交流のきっかけを作ってくれる藤は家の宝。花が見せてくれるひと時の美しさを楽しんでもらえれば」と話している。
入園無料。場所は、南足柄市ふくざわ公園から南西に徒歩2分ほど。会場隣には無料駐車場を併設。敷地内では地場産品の販売も行っている。