「長尾の里あじさいまつり」
「あじさい寺」として親しまれる長尾山・妙楽寺で「長尾の里あじさいまつり」が6月20日(日)、2年ぶりに開催される。5日には保存会や地元町会の有志が、恒例の下草刈りを会場周辺で実施。コロナ禍による2020年の中止を乗り越え、感染対策のもと規模を縮小し、23回目に思いを込める。
28種、約1千株ものアジサイが咲く
6月中旬から下旬に、28種、約1千株ものアジサイが咲き競う妙楽寺。恒例イベント「あじさいまつり」は、周辺一帯のアジサイを管理する「長尾の里あじさい保存会」や、同イベントを主催する実行委員会を中心に運営。多摩区観光協会の後援のもと、地域一体で魅力づくりを担っている。
模擬店、野点、作品展、絵画展、スタンプラリーは中止
2021年はコロナ対策として、2カ所の会場入り口で来場者向けに検温と手指消毒を予定。主催者は「マスク着用の上、ゆとりを持って来場を」と呼びかける。軽食の模擬店、屋外で茶をたてる野点、本堂での写真など作品展や長尾小学校児童の絵画展、スタンプラリーは中止。地場産野菜や和菓子類、飲み物、アジサイの苗は例年どおり販売する。
溝江光運住職は「2020年は残念だったが続けることが大事。楽しめるよう気持ちを込めて開催させていただくので、心の清涼剤にしていただければ」と胸中を明かす。同保存会の井田光政会長は「感染対策を万全に、静かにアジサイを愛でていただければ」と思いを込める。
「下草刈り」で仲間の輪広げ
5日の下草刈りには、同保存会や長尾町会環境美化部(隅田潤部長)のメンバーら約20人が参加。妙楽寺に続く坂道、通称「あじさいロード」周辺で草取りなど手入れに汗を流した。同保存会のボランティア募集に応じ、初めて参加した高橋裕子さんは「きれいになっていくのは気持ちいい。毎年の皆さんのご苦労を実感した」と充実した様子。実行委員長で長尾町会会長の井田良一さんは「ボランティアの輪が口伝に広がり、今後も仲間が増えていけば」と期待を寄せる。開催後の7月3日には、恒例の剪定作業を行う予定だ。
コミュニティバス「あじさい号」運休
まつりの開催時間は午前9時30分から昼12時30分、雨天決行。当日は例年、長尾台地区と妙楽寺、登戸駅、久地駅を結ぶコミュニティバス「あじさい号」の臨時便が走るが、2021年は運休が決定。コロナの影響で5月8日から土曜運行を休止するなど、採算面で苦境に立つ。2019年のまつり当日は全便ほぼ満車で、午前9時30分から午後2時の間に約700人が乗車したという。長尾台コミュニティバス利用者協議会の権平豊会長は「学校回りや登戸駅発の増便など、6月はダイヤ改正で利便性向上を図った。今後の運行形態をバス事業者と協議していく」と先を見据える。