ドラマの撮影地にも
東急東横線「妙蓮寺駅」すぐ目の前にある妙蓮寺は、これまでの歴史の中で、地域の学校、商店街、周囲に広がる住宅地とともに、街を形成してきました。そんな人々の暮らしに寄り添うように歩んできた名刹は、これまで、たびたび映画やテレビドラマの撮影の舞台にもなったそうです。
- 横浜の中心、主要鉄道の駅前ながら、広く緑豊かな境内が特徴の妙蓮寺。今回は、地域と一体となって発展してきた妙蓮寺の散策体験を写真とともに紹介します。
【目次】
◎アクセスは?商店街を抜けると・・・
◎広大な境内は散策というより、探検?
◎山本住職にお話を聞きました
◎「また来よう!」
アクセスは?商店街を抜けると・・・
妙蓮寺の門前には商店街が広がり、飲食店や書店、八百屋、パン屋、電気屋など地元の特色ある多数の店舗が並び、活気が感じられます。
踏切の先に山門が見え
商店街を抜けると妙蓮寺駅、そしてその横に踏切があります。
踏切を渡ると青空に映える朱塗りの山門がお出迎え。「列車が通過する踏み切り音を耳にしながら山門を目の当たりにする立地も、横浜では珍しいのでは」。そんなことを考えながら歩を進めていきます。
末永く光り輝く寺でありたい
この山門は、日蓮宗大本山・池上本門寺の山門を模して造られたとか。初夏の日差しを受けた山門は、末永く光り輝く寺でありたいとの願いが込められている山号「長光山」のイメージ通りといった印象です。
山門をくぐると、目の前には敷地面積およそ3,000坪という境内が広がっています。3,000坪は約10,000平方メートル。100m×100mの野球場1面ほどでしょうか。
正面やや遠目には荘厳かつ剛健、おおらかさなどを備えた本堂の容姿が目に入ります。陽光を浴びた瓦葺きが、これまたキラキラと自ら光を発しているようでもあります。ご本尊像は14世紀のもので池上本門寺2祖・日朗上人の弟子、日像上人の作。
広大な境内は散策というより、探検?
早速、本堂にお参りした後は、いよいよ境内散策へ。その広さゆえに散策というよりちょっとした探検に近いワクワク感にかられます。
境内には菊池(くくち)の滝
向かって左側の本堂横にあるのは、青々とした新緑と白い砂利、そして周囲の建築美との調和がたいへん美しい庭園。新緑や紅葉など、季節によって表情を変え、いつ訪れてもしばらく足を止めたくなる妙蓮寺の大きな見どころの一つです。
一方、向かって右側の本堂奥には滝があり、滝壺を打つ水の音に耳を澄ませると心が洗われるようです。この滝は落差4メートルあり、昔の地名にちなんで「菊池(くくち)の滝」と名付けられています。
本堂から再び山門方面へ、改めて妙蓮寺の広さを感じながらのんびりと歩いていくと、第一斎場、釣鐘堂、斎場案内所があります。
1981年に整備された斎場は、寺院の境内にありながら宗派にかかわらず使用できる斎場として、時代に先駆けたものだったそうです。今では境内に3つの斎場がありますが、この後、順を追って紹介していきます。
多目的ホールも整備
山門のすぐ脇には小径があり、ここを入ると多目的ホール「TACHIBANA」があります。地域の役に立てたら――。そんな心が伝わってくるようです。
▼斎場のレポートはこちら
いよいよ境内最上段へ
そこから再び本堂の方面へ。本堂手前の向かって右側にはやや急こう配の上り坂があり、高台に見える建物が第二斎場と蓮華の間です。
歩くにつれ、次第に緑に隠れていく本堂を横目に坂道を登ると、これまた緑に囲まれた建物の前に出ます。
建物の1階が第二斎場、そして、2階が蓮華の間です。葬儀や故人とのお別れ会など、3つの斎場規模や要望によりそれぞれの施設を使い分けています。
3つの斎場の年間使用件数は200~300。寺院が運営する斎場として全国でもトップクラスだそうです。
蓮華の間の入口までは、鮮やかな緑に包まれた趣ある回廊が続きます。
新横浜方面の街並みを一望
ここは高低差のある境内でも最上段にも位置するため、とても見晴らしがよい場所です。晴れた日は、新横浜方面の住宅地を一望することができます。
山本住職にお話を聞きました
寺務所を訪れると、山本玄征住職にお会いすることができました。
「この街は、ほんとうに居心地の良いところ」と地域への愛着の言葉を口にした山本住職。「この先、時代とともに住む人が変わりとともに、気質が変わっていくこもあるでしょう。すると街の表情もそれまでとはまた違ったものになるかもしれませんが、これからもこの地域を守るため、皆で街づくりをしていけたら」と話していました。
妙蓮寺境内ではこれまで、朝顔市、菊花展、盆踊り、縁日、ジャズイベント、ラジオ体操などが開かれてきました。妙蓮寺には、このように、地域の発展のため、柔軟に様々な活動を行なったり、協力したりしてきた歩みがあります。
これからも地域とともに
四季折々の植物や境内に点在する建築美、そこに癒しを求めて足を運ぶ人々、様々な表情に触れることのできる信仰の場。これからも末永く地域とともに歩んでいくことでしょう。
買い物やウォーキング途中などに境内に立ち寄る人々の姿を見ると、改めて「地域の人たちの拠り所として、街と一体となったお寺であること」を実感します。このように、いつでも人々を優しく迎えてくれる妙蓮寺。「これまでも、そしてこれからもいつも、地域とともに」との山本住職の思いが表れています。
「また来よう!」
今回の散策体験を通して、直接目に映るものだけでなく、妙蓮寺と地域、地域に住み暮らす人たちとのつながりを感じ、どこか清々しい気持ちになりました。「いつでもまた来よう。妙蓮寺に」
【動画でご紹介】