- 潮田地域の総鎮守として、住民らから愛されている潮田神社は、2020年に鎮座100年を迎えました。今回はその由緒を探ります。
西の御嶽社、東の杉山社が合併
潮田神社は、口碑によると、明治期に井田方鎮座須賀社(素戔嗚尊)、小野新田鎮座稲荷社(豊受比賣尊)、向原鎮座菅原社(菅原道真公)、田方鎮座神明社(天照大御神、弥都波能賣神)を合祀された西潮田村の御嶽社、上居村鎮座若宮八幡社(誉田別尊)、浜端鎮座白山社(岐久理比賣)、弁天下鎮座厳島社(市杵島比賣命)を合祀された東潮田村の杉山社が、大正時代、耕地整理・区画整理などを背景に、合併して誕生。1920年に潮田神社と改称しました。
鎮座した現在地は潮田地区の中心地点となっていて、同地区周辺に位置する、実に34もの氏子町会の総鎮守として親しまれています。
人、人、人に70基の神輿。例大祭は圧巻の景色
年中行事は、1月1日の「歳旦祭」に始まり、特設の足場を組んで実施する2月の「節分祭」、6月30日の夏越しと12月31日の年越しの2回の「大祓い」など盛んです。
なかでも、特徴的なのは6月の第1金曜日から3日間にわたり行われる「例大祭」です。
潮田神社の例大祭は鶴見区内で最大級と言われています。氏子34町会が総出で行われ、連合渡御では町会の神輿およそ70基の神輿が上がる盛況ぶり。宮神輿の宮入り時は、境内から周辺道路までが人で埋め尽くされる圧巻の光景が広がります。(※新型コロナウイルスの影響で2020年、2021年は中止)
100年記念 荘厳な飾り獅子と後世につなぐ桜
県下最大級 2体の飾り獅子
鎮座100周年を祝い、金の飾り獅子と、桜の木の植樹も実施されました。
狛犬と同様に、邪気を払い神様を守るものとされる飾り獅子。潮田神社のものは、雄、雌2体の木彫りで、神奈川県下最大級となる幅1m大。手がけたのは、宮神輿と同様、東京浅草の(株)宮本卯之助商店。全体に金箔があしらわれ、荘厳な造りになっています。
後世に伝える桜・ジンダイアケボノ
2020年11月23日に行われた「新嘗祭」では、100周年を記念した植樹も行われました。
当日植えられたのは、ソメイヨシノの後継種として国内で人気となりつつある、ジンダイアケボノ(神代曙)2本です。原木は、東京都調布市の都立神代植物公園にあるそうです。
萩原伴雄宮司は、コロナ禍にありながら、飾り獅子の制作や桜の植樹などを実現できたことを「後世に伝えることもでき、幸運を頂きました」と述懐。「氏子34町会、心のよりどころとして繋がれるよう、力添えを願う」と感謝し、地域とともに発展していくことを誓っていました。