一部テナントのみ営業していたさいか屋横須賀店南館に、赤い大きな看板が出現。10月20日に新たな姿でお披露目されました。その内容を潜入レポートします。
南館の変遷
南館は1990年、レストラン街や文化ホールなどを有する「コミュニティ館」として開館。当時は大通り館と新館とともに、横須賀中央のまさに中心的な建物として人気を博していました。その後、カラオケ大手「シダックス」を誘致。
キッズスペースなど、子育て支援にも力を入れていましたが、カラオケからソーシャルゲームとコラボしたスペースに転換し、2018年以降は2階の中華レストラン「煌蘭」などを除いて、大きなテコ入れがされてきませんでした。
キーワードは4つの〝e〟
今回の新施設は1階と4階から6階までを「eSTAGE」と命名。「e」には「enjoy(楽しみ)」「entertainment(娯楽)」「eat(食べる)」「e-sports(イースポーツ)」など、〝e〟のある舞台を意味するそうです。
設備はe-sports、カラオケ、ダーツ、ワーキングペース、貸会議室など。
いずれも1階で受け付けを済ませて利用可能。館内ではフリーWiFiで快適なネット環境が整備されています。百貨店が独自にこうした複合型娯楽施設を運営するのは、全国的にとても珍しい試みだそうです。
6階・5階:カラオケ・ダーツ
まずカラオケは以前の設備を活かし、少人数用からパーティ向け、中には掘りごたつ式やカーペット敷きのキッズルームのような親子向けに作られたものなど、多種多様に用意されています。授乳室も新設されました。
担当者に伺ったところ、ターゲット層を従来の百貨店が得意とする高齢層からファミリー層や若年層も幅広く取り込みたいそうです。カラオケのほか、6階にはダーツも完備されています。
4階:シアタールーム・ワーキングスペース・貸会議室
また、スクリーン型の小さい部屋からプロジェクター投影型の大きい部屋まで、シアタールームも3室用意。DVDやブルーレイなど、好きな作品が入ったメディアを持ち込んだプライベートな映画鑑賞からちょっとしたミニ試写会まで、こちらも幅広く用途がありそうです。
さらにwithコロナ時代のニーズに合わせ、ビジネス向けにワーキングスペースや貸会議室など、用途の広いフリースペースも整えられました。
オープン初日朝、待ち望んだかつての常連客も
オープン当日の10月20日朝10時、入り口前には開店を待つお客の列ができていました。その中の一人はかつて「シダックス」時代からの常連客だと言い、「(シダックスが閉まってから)しばらくはよそのお店で歌っていたけど、やっぱりさいか屋さんが好き。新しくきれいになった場所でまた歌えて嬉しい」と話していました。
「再び地域に支えられ、長く愛される場所に」
新たに「娯楽の殿堂 さいか屋 eSTAGE」の支配人となった廣田昭彦さんはオープン最中で忙しいところ、快く取材に応じてくれました。今後の意気込みを伺うと「ご年配から学生の方まで幅広く地域に愛され、末永くご愛顧いただける場所に育てていければ」と笑顔で話していました。
来年で創業150周年の大きな節目を迎える、百貨店業界屈指の老舗・さいか屋。また新たな挑戦が始まったようです。