就活のスイッチを押すきっかけに、県西部地域若者サポートステーション(県西サポステ)で【興味検査】と【職業適性検査】を受けてみました。
サポステってどんなところ?
県西サポステは、15〜49歳までの人に職業的自立を支援する無料の公共相談窓口です。キャリアコンサルタントや精神保健福祉士が就職サポートをしてくれます。「まずはやりたいこととできることを理解することが大切」と、県西サポステの相談員。長く心地良く仕事を続けるためには、自分を見つめ直して、やりがいを持って得意を活かせる職業を見つけることが大切です。
【目次】
◎オンラインが初めての人へ
◎準備講座に参加しよう
◎【興味検査】と【職業適性検査】で何が分かるの?
◎【興味検査】を受けてみよう!興味の方向性や強さをグラフ化?
◎【職業適性検査】を受けてみよう!得意分野や特性を数値化?
◎検査の後はフィードバックしてもらおう!
◎【番外編その1】ファーストステップはここから
◎【番外編その2】検査後、自分を見つめ直してみた…
オンラインが初めての人へ
検査はオンラインビデオ通話Zoomで受けられるので、ハードルが低く、気軽に参加できました。もちろん、全て無料で受けることができます。Zoomが初めての人は以下の動画を参考にして参加してみてください。
- 申し込み後にメールが届いたら、、<Android編>動画はこちら
- 申し込み後にメールが届いたら、、<Windows PC 編>動画はこちら
準備講座に参加しよう
まずは準備講座を受けます。約30分、検査についての説明を聞きました。分からないこと、不安なことがあればここで解消しておきましょう。
zoomの基本的な使い方やzoomを使う際のマナーについても教えてくれるため慣れていない人も安心です。周囲で騒音がするときにマイクをオフにする方法、自分の名前を画面に表示させる方法など、オンライン会議が一般的になりつつあるこれからの時代にとても役に立ちますね。
これをきっかけに、zoomの使い方に慣れて自信を付けていきましょう。
※準備講座は対面で受けることもできます。
【興味検査】と【職業適性検査】で何が分かるの?
「仕事を始めようと思ったとき、自分に合う職種選びから始めてはいませんか。職種に囚われていると、職業選択の幅を狭めてしまうことになります」と相談員。
まずは、自分の根底にある興味関心や能力を見つめ直すことが大切とのこと。そうは言っても、自分で自分のことを見つめ直すことは難しいですね。そんなときに、客観的な評価を与えてくれるのが今回受けるふたつの検査です。
興味検査は「やりたいこと(WILL)」を知る検査、職業適性検査は「できること(CAN)」を知る検査。ふたつの領域が重なるところを発見することで、自分に向いている職業が見えてくるといいます。相談員は「自分で適性を決めつけないで、職業選択の幅を広く持つように」とアドバイスしてくれました。
※「MUST」は、通勤時間や待遇、雇用形態などの条件面のことを意味します。
検査は基本的に各自で実施します。事前に受け取った資料を用いて、自宅などで空いている時間に行いましょう。
【興味検査】を受けてみよう!興味の方向性や強さをグラフ化?
まずは、興味検査を受けます。
「オーケストラの指揮をする(例)」、「牧場などで家畜の世話をする(例)」など、約50の仕事内容について、ひとつずつ「やりたい/どちらともいえない/やりたくない」、「自信がある/どちらともいえない/自信がない」で回答していきます。「考えすぎずに、直感でマークシートを埋めていってください」とのこと。
質問の数は全部で約170個で、20分ほどで全ての回答を終えました。回答シートを提出し、後日、担当者から結果の説明があります。ドキドキ。ちなみに私は、研究職や芸術的な分野に興味があり、慣習的な作業に自信があるという結果でした。
人はそれぞれ興味の方向性が異なります。周りに流されずに、自分は何に興味があるのかしっかり見つめ直すことが大切ですね。自分でも知らなかった、意外な一面が見えてくるかもしれません。
この検査では、何に興味があるか以下の6つのカテゴリーに分けて説明してくれます。6角形の対角に位置するものは相反する傾向に、隣り合う項目は似た性質があるといいます。視覚的に自分の興味が分かるため、向かうべき方向性が見えてきますね。
- R:Realistic(現実的)機械や物を対象とする具体的な活動をすることが好き(例:技術者、機会オペレーター)
- I:Investigative(研究的)研究や調査などのような活動をすることが好き(例:研究者、学者)
- A:Artistic(芸術的)音楽、美術、文芸など芸術的な活動をすることが好き(例:ミュージシャン、デザイナー)
- S:Social(社会的)人に接したり、奉仕的な活動をすることが好き(例:教員、販売員)
- E:Enterprise(企業的)新しい企画を考えたり、組織を動かすような活動が好き(例:放送ディレクター、会社経営者)
- C:Convensional(慣習的)定まったやり方にしたがって、手堅い活動をすることが好き(例:事務員、会計士)
【職業適性検査】を受けてみよう!得意分野や特性を数値化?
やりたいこと(WILL)の方向性が見えてきたら、できること(CAN)を知る検査に進みましょう。
この検査では、11種類のテストを受けます。計算問題を解いたり、小さな丸の中に素早く点を打っていったり。どれも時間をかければ完璧にこなせるのですが、これを限られた短い時間内で行わなければなりません。焦らず、正確に、できるだけ多く回答していくことが求められます。丁寧に解いていくタイプか、間違ってもいいからどんどん回答を進ていくタイプか、ここでも適性が判断されているようです。
テストの結果から、知的、言語、数理、書記、空間、形態、共応の7つの指標で得意・不得意の数値が示されます。ちなみに私は、「数理」と「書記」が得意という結果でした。
数値が示されたら、そこから以下の13の職業領域の内、どこに適性があるか診断されます。ちなみに私は、 「7 学術、研究、医療、法務」以外の職業領域、全てに適性があるという結果でした。
- 1 農林、漁業(例:動植物の採取、飼育、栽培。動物管理、水産養殖、園芸)
- 2 運搬、加工、組立の簡易技能(例:身体作業。手腕作業。機械操作。加工、組立)
- 3 加工、組立、造形の熟練技能(例:建設、設備工事。切削加工、造形。手工技能。製図関連)
- 4 保守管理(例:機械、装置の運転看視。機械設備の保守管理)
- 5 運転、操縦(例:据付機関、建設機械運転。車両等の運転。航空機、船舶の操縦)
- 6 工学、技術(例:測定、分析。工学、技術の開発応用)
- 7 学術、研究、医療、法務(例:自然科学系の研究。診断、治療。人文科学系の研究。法務、財務等)
- 8 教育関係(例:教習、訓練、指導。教育、指導)
- 9 コミュニケーション(例:デザイン、写真。通信。著述、編集、報道)
- 10 社会福祉(例:介護サービス。養護、看護、保健医療)
- 11 販売、サービス(例:販売。理容、美容。個人サービス。専門技術的な販売)
- 12 警備、保安(例:警備、巡視。警察、保安)
- 13 事務関係(簡易事務。事務機器操作。一般事務。経理、会計。専門企画)
これだけ多くの仕事の種類があるのですね。自分の知っている職種から探していては、たどり着けない仕事に巡り合えるかもしれません。
同じ職業領域でも、仕事内容は様々です。これをきっかけに、自分にはどんな仕事が向いているのか突き詰めていくと良いでしょう。
検査の後はフィードバックしてもらおう!
ふたつの検査が終わったら、フィードバックがあります。
自分自身は、やりたいことと、得意なことが、自分が選択した職業と一致していることが分かり、仕事を続ける自信や、やる気に繋がりました。人によっては、思いもしなかったことに気づくこともあるそうです。
検査結果を渡されただけでは、なかなか次の一歩を踏み出すことができませんが、県西サポステは継続的なサポートを行ってくれるため、モチベーション維持ができます。
なぜそこに惹かれたのか、自分の興味のアンテナを大切にして、さらに深めていくことが大切です。相談員との会話を重ねる中で、具体的な次のアクションが見えてくるかもしれません。
「適性は大きく変わることはありませんが、興味の方向性はこれから変わる可能性があります」とのこと。人との出会いや経験が刺激となり変化していくものなので、その都度相談に乗ってもらうと良いでしょう。
県西サポステのスタッフは、人それぞれのペースに合わせてサポートをしてくれます。決して押し付けるようなことはしません。
「マッチした職業に巡りあえばやりがいが積み重なっていきます。さらにモチベーションが深まっていき、この仕事をして良かったという体験につながるでしょう。自分にはこれしかできないと思い込んでいる人や、何をやりたいのか分からない人が多くいます。何も特徴がないからと、悲観的になるのではなく、本当は何に適性があるのか、何に興味があるのか、それを見つめ直すきっかけにしてください。職業的自立を目指す方を支援しています」
【番外編その1】ファーストステップはここから
何か始めたいけど、いきなり就職活動はハードルが高いと感じる人も多いはずです。具体的なゴールが見えていなくても、動き始めることで少しずつ自信が付いてきます。まずはサポステで行っている講座や支援プログラムに参加してみてはいかがでしょうか。
パソコン講座
就職活動をする際に最低限必要なパソコンのスキルを学びます。オンラインでも開催していますが、この日は部屋を借りて実施。講師が、ExcelやWord、PowerPointの基礎を教えてくれました。実際に、表計算やビジネス文書・プレゼンテーションを作成し、就活に自信をつけましょう。
パソコン講座の日程は以下の県西サポステHPから確認できます。
地域の清掃ボランティア
ボランティアは気軽に参加できるのでおすすめです。この日は、地域の街路樹の落ち葉を約40分かけて清掃しました。歩行者に元気に挨拶をして、地域住民との交流も生まれます。ちいさなことから社会貢献することで、自信がついていきますね。外出したりと、いつもしないことをしてみると気分転換にもなります。
【番外編その2】検査後、自分を見つめ直してみた…
20代男性がzoomで検査を受けてみた結果、ひとつ大きな気づきを得られました。過程は省きますが、検査結果を素直に受け止めると「研究や芸術の分野に興味があるが、周りの評価が気になり思い切ったことができない」という現状に気付きました。自分でも納得の結果に感心しました。自分のことを客観的に知ることができたからこそ、具体的な次のステップが見えてきます。置かれた環境の中で何ができるのか、前向きに考えられるようになりました。
【サポステとは】
国と地方自治体が連携し、働くことに悩みを抱える無業者の「就労」をサポートする場所。対象は15歳~49歳。(ツイッターはこちら)
【担当エリア】
小田原市、平塚市、秦野市、南足柄市、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、開成町、山北町、箱根町、湯河原町、真鶴町
【就労プログラム一覧(すべて無料)】
県西サポステHPから関心のあるプログラムを見つけよう!