10月は全国で展開する「食品ロス削減月間」。本来食べられるにも関わらず廃棄される食べ物を減らすことを啓発するもの。
横須賀市の調べ(2019年)では、生活系の可燃ごみ(燃せるごみ)のうち、食品の廃棄物を100%として、内訳は直接廃棄(未開封の食品・未加工の食材など)が6.0%、食べ残し18.5%、調理くず71.3%、食べられる部分を捨てている過剰除去は8.3%。この数字を合計して、(調理くず以外の)家庭から出る「食品ロス」の割合は32.8%となります。
国の調べでは、1日1人当たりの発生量は140g。年間で約50kgの食品を「捨てている」ということになるんです。
なぜ、食品ロスの削減が必要?
環境負荷を軽減するために、ごみ全体の総量を減らすということが求められています。食品に関しては、食料資源の過剰な利用(作りすぎ)、生産に関わる二酸化炭素の排出といった問題も抱えています。さらに、食べられる食品が捨てられている一方で、世界には栄養不足の状態にある人々がいるという不均衡も起こっています。
それではどうすれば、食品ロスを減らせるか? 食べ残しをしない・食べられる部分は捨てない・使い切る…といった日々の積み重ねも必要ですが、「食べられるのに捨ててしまう」ものを減らすこともひとつの方法。「安かったから多めに買っていた」「ないと思って買ったらストックがたくさんあった」「贈答品で食べる機会がない」…なんてこと、ありませんか? 気付いたら賞味期限が迫っていた・過ぎていたということも。
そんな、手を付けていない・眠っている食材を必要な人に届けるのが「フードドライブ」という仕組み。「フード(食品)」と「ドライブ(団体運動、寄付)」の造語です。
前置きが長くなりましたが、「食品ロス削減月間」に関連して、神奈川県ではこの期間に「フードドライブ」を実施している企業や団体を紹介しています(通年での取り組みもあり)。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/bs5/sdgs-fooddrive.html
提供できる食品は
- 常温で保存できるもの
- 開封されていないもの
- 賞味期限が明示されていて残り2カ月以上あるもの
主食(米やめん類)、そのままでおかずになるもの(惣菜の缶詰・レトルトなど)が喜ばれるそう
受け取れない食品
- アルコール類
- 生鮮食品や冷凍冷蔵食品
- 包装が破損しているもの
- 賞味期限の期限がない、もしくは2カ月未満のもの
これは大丈夫かな?というものは、事前に問い合わせてもいいかもしれません。
買い物などの「ついで」に寄付
SDGsの取り組みなど、食品ロス削減に関心のある企業も増えています。横須賀市内で実施している企業や団体の一部を紹介します。
エコルシェ5302(エコルシェ横須賀)
横須賀市日の出町のガソリンスタンド(ENEOS)待合室の一角にあるエコ関連ショップ。食材の量り売りや環境負荷の少ない商品が並んでいます。「エコの視点からも取り組んでみたかった」と代表の神馬さん。店舗での受付は10月20日(日)まで。
ウスイホーム
神奈川県内に15の営業店舗がある不動産事業者のウスイホーム。自社のSDGsの取り組みとして、社員だけでなく、近隣住民の持ち込みも可。横須賀市内では、久里浜店・野比店・衣笠店・馬堀海岸店・武山店・横須賀中央店・ベース店で、店舗営業時間内に受付、10月31日(月)まで。
横須賀モアーズシティ
横須賀中央駅直通の横須賀モアーズシティでは、昨年からこの時期にフードドライブを実施。1階の総合案内所付近に回収ボックスを用意しています。10月17日(月)~31日(月)まで。
ファミリーマート
昨年の夏から市内のいくつかの店舗でフードドライブの回収ボックスを設置しています。「ファミマフードドライブ」として、地域の「協力パートナー」に寄付しています。現在は5店舗(蔭山馬堀海岸店・松山公郷店・横須賀衣笠店・横須賀三春町店・横須賀船越町店)で実施中。常設でお店も24時間営業なので、いつでも持ち込み可。
持ち込まれた食品の行方は?
- 「食品ロス」は常に生活の中で意識しておきたいものですが、「削減月間」はそのきっかけになるもの。「非常食の買い替えのタイミング」「余分にある食品のストックを片付けたい」―そんな時に、「フードドライブ」を活用するのはいかがでしょうか? お店で買い物・利用しなくても持ち込めますので、気軽にエコ活動にチャレンジしましょう!