ハトのふん害などに悩まされている県営野川南台団地自治会が10月14日、鷹匠(たかじょう)を招いたハト退治に乗り出した。天敵のタカを放ち、ハトに「危険な場所」と認知させ、追い払う対策。同団地住民らは効果に期待を寄せる。
対策は、週1回1カ月にわたりタカを放つことで、ハトに危険な場所であると刷り込むことで追い払い、寄り付かないようにする狙いがある。タカはハトを捕獲すると捕食してしまうため、「タカから見えずハトからは見える所」へ目掛けて何度も放つ。餌を入れた捕獲機も仕掛けており、2日に30羽、鷹匠を招いた14日には17羽を捕獲した。タカを放つことで、捕獲機へ誘い込む効果もあるという。
(株)グリーンフィールドの鷹匠・江頭(えとう)千景(ちかげ)関東エリアマネージャー(25)は、「捕獲機に1羽も入らないこともあるが、今回は1回の捕獲数が多い。タカを放つとすぐに逃げているので、効果が顕著だ」と驚く。捕獲したハトは、申請書を提出している同社が適切に処分する。
団地には3年ほど前から多数のハトが飛来し、飛び立つ時の音やふん害などに悩まされていた。同自治会の庄司幹夫会長は「本来禁止されているハトへの餌やりをしている人がいて増えた。毎日ハトが空を覆うほど飛来する」と嘆く。同自治会では署名を集め、管理する(株)東急コミュニティーに今夏、苦情を申し立てた。これを受け同社では、忌避剤散布や防鳥ネットなどの対策を検討したが、効果や費用対効果から鷹匠に依頼。多くの団地を管理する同社担当者は「効果が出れば、他の団地でも検討したい」と話している。