宮内自治会(田村二三夫会長)が3年かけ進めてきた歴史案内板の設置が完了し、10月22日、実際に歩いて巡るイベントが開かれた。参加したのは宮内小学校の教諭ら。同自治会は「忘れられてしまう記憶を、記録として残し伝えていきたい」と意気込む。
多摩川の氾濫や洪水を和らげるために築堤された「横土手」、鎌倉幕府の御家人稲毛三郎重成が戦勝祈願のため黄金の太刀を埋めたと伝わる「黄金塚」、江戸時代に宮内薬師堂を案内するために建てられた道しるべ「道標薬師堂」など、案内板の数は16カ所。
高さ1メートルほどの石碑に史跡名などと説明文を記載し、二次元コードを読み込むと詳しい情報がウェブサイト上で閲覧もできるようにした。同自治会の歴史ガイド委員会9人が、有形無形の史跡や旧地名などを保護し伝承していく目的で、2019年から計画を進め、今年3月に設置が完了した。
今回のイベントは、市民に向けた活動の前に「まずは先生たちに知ってもらい、子どもたちへ伝えてほしい」と自治会から呼び掛けた。宮内公民館をスタートし12カ所を2時間ほどかけて回り、案内板の前では、ガイドたちが時代背景や由来などを詳しく説明した。小学3年生を担当する柏崎結香さんは「丁寧に説明してもらい勉強になった。子どもたちも細かな情報を知ることで昔の様子を想像しやすくなる」と話した。
田村会長は「宮内地域には多くの歴史財産が残されている。今後はさまざまな人を対象に宮内の歴史と魅力を伝えていきたい」と語った。