二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス。その排出量を削減し、森林などによる吸収量とのバランスでゼロをめざそうという「カーボンニュートラル」(=脱炭素)。
そのための取り組みの1つとして都市部では、駅などを拠点に自転車をシェアする「シェアサイクル」が注目されています。横浜市でも2022年6月から社会実験を進めていて、実は泉区もその重点展開区の1つなのです(ちなみに期間は2025年3月末まで)。
仕組みは簡単で、会員登録をすると駅の駐輪場などにおいてある電動アシスト自転車を利用することができ、別の駅の駐輪場や区役所、店舗などに設置されている「サイクルポート」とよばれる場所に返却すればOKというもの。
認知度アップへ
ただこのシェアサイクル、泉区内でも広まりつつあるのですがまだまだ認知度に課題があるとのこと。
そこで「このシェアサイクルをもっと多くの人に知ってもらいたい!」と泉区役所は泉区緑園にキャンパスのあるフェリス女学院大学の知足ゼミに声をかけ、コラボでリーフレットを制作しました。
同大の知足章宏(ちあし・あきひろ)准教授のゼミではこれまでも、環境問題を題材に、IKEA港北や八景島シーパラダイスといった企業とのコラボで実践的な活動に取り組んできました。
そんな知足ゼミの学生とあって、泉区役所職員のサポートを受けながらデザインの選定などに積極的に意見を出していきました。
参加した学生たちは「印象に残るような配色やデザイン、わかりやすさを追求しました」「泉区をより身近に感じてもらえるような、楽しさが伝わるリーフレットを目指しました」と、取り組んでくれたようです。
シェアサイクル体験
また実際にシェアサイクルの自転車で泉区内のツーリングも体験。
スマホを使って利用手続きを済ませ、
ヘルメットもかぶっていざ、出発!
日頃は大学最寄りの相鉄線・緑園都市駅を利用するほか、あまり泉区を知らなかったという学生たち。直売所などにも立ち寄り、地元の魅力の再発見にもつながりました。これも自転車での移動ならではかもしれません。
フェリスの学生たちも、
「手順もむずかしくなく、気軽に借りられるのがいい!しかも電動自転車なので、遠くでも坂道でも、苦労なくまちを回ることができました」
「県外から通っているので、泉区がこんなに自然豊かで魅力的なまちだとは知りませんでした。これならのんびり景色を楽しむのにもいいかも」
「高齢者のかたでも電動アシストがあるのでいいと思います。普段は車移動が多いという人ほど、一度乗ってみてほしいです!」
と感想を話してくれました。
そして、しっかりお土産も購入…。ちなみにこのおしゃれなバッグ。これも泉区役所と知足ゼミのコラボからうまれました。(タウンニュース泉区版2022年5月26日号)そんなこんなで完成したのがこちらのリーフレット!
完成したリーフレットはこちら
想像以上の仕上がりに、泉区役所の担当職員さんも「大学生ならではのセンスやアイデアがつまっていて、コラボできてよかったです!」と大絶賛。
知足先生は「デザインの投票をした時に、学生の圧倒的支持を受けたものと私が選んだものはまったく別でした(笑)」としながらも、「こういう機会をもらえたことはとてもいい経験になります」と感謝を口にしました。
「大学の授業で学ぶだけでは、そこで終わってしまって『知識』の域を出ないことが多いんです。なので、こうした具体的な活動を通じて考えてみることで、社会問題をより自分事として落とし込めているように感じています」
また「脱炭素をめざしながらも、なかなか車社会から脱却することは難しい。その中で自転車だったり、歩くということは重要になります。シェアサイクルのような取り組みがローカルから少しずつ広まってくれたらと思います」と話してくれました。