大井町は8月をめどに、赤田地区の住宅1棟をお試し住宅とし、移住体験の受付を開始する。これまでは国道付近で町の中心部に位置していたが、同町の自然豊かな面も体験してもらおうと赤田地区に整備した。
移住希望者が町での暮らしを一定期間体験できるお試し住宅。同町では2017年から提供が始まり、これまで西大井地区と宮地地区の古民家を所有者から借り、運用してきた。
しかし契約満了を迎えた西大井地区のお試し住宅が提供を終了。同事業を担当する町企画財政課内で検討した結果、宮地地区とは周辺環境が異なる赤田地区にお試し住宅を整備することが決まった。当初は4月ごろの受付開始に向けて準備を進めていたが、電気配線のトラブルや給湯器の故障が続き、提供開始時期が延期になったという。
移住促進に一定の効果
同町のお試し住宅利用者は働き盛りの20代から終の棲家を検討する60代まで様々。しかし「想像より交通の便が良い」「静かで住みやすい」など好評の声がほとんどであり、宮地地区のお試し住宅は現在、10月まで予約が入っている状況だ。
利用後に近隣市町に移住してしまうケースもあるというが、同課の湯川博之課長は「大井町に移住を決めてくれる方もいるのでそこは助け合い」と話し「大井町の人口減少は比較的緩やか。お試し住宅など様々な事業が一定の成果を出している結果だと思うので、今後は特に生産年齢人口増加に力を入れて取り組んでいきたい」と続けた。