保土ケ谷警察署協力のもと、交通安全や防犯について、事例や気をつけたいポイントをまとめました。いま一度、交通安全や防犯に対する意識を高めていきましょう。
(各情報は2023年9月時点)
【コンテンツ】
◎9月21日から30日は秋の交通安全運動
◎2023年は4年ぶりに被害額1億円超
◎2023年は8月までに交通死亡事故4件
◎横浜市防犯協会連合会、鈴木会長に聞く「一歩踏み込む防犯を」
◎防犯協会青パト新車に
◎県下で自転車盗難増加中
◎隣接小学校の登校見守り
◎満天の湯は免許返納で特典
◎このチャートを電話の近くに貼っておきましょう!
9月21日から30日は秋の交通安全運動
30日は「事故死ゼロ」の日
毎年9月21日から30日までの10日間開催される秋の全国交通安全運動。「安全は心と時間のゆとりから」「高齢者模範を示そう交通マナー」(2023年)などのスローガンのもと行われている。
県下では
①子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全確保
②夕暮れ時と夜間の歩行者事故等の防止および飲酒運転等の根絶
③自転車等のヘルメット着用と交通ルール順守の徹底
④二輪車の交通事故防止の4項目に重点が置かれる。
期間中は例年、保土ケ谷駅前や保土ケ谷警察署前の国道16 号などで交通安全を呼び掛けるキャンペーンを実施。保土ケ谷警察署の前には交通安全の願いが込められた約100張の提灯が飾られる。
2023年は4年ぶりに被害額1億円超
保土ケ谷区内発生の特殊詐欺
依然として保土ケ谷区内でも多くの被害が起きている特殊詐欺。
「オレオレ」が多数
2023年は8月末までに27件・約1億1583万円(暫定値)の被害があり、2019年(約2億1623万円)以来、被害額が1億円を突破した。認知件数の約半分はいわゆるオレオレ詐欺。子どもや孫を騙りお金が必要であることを伝え、上司・同僚などと名乗る犯人に現金を渡すよう仕向ける手口だ。このほか「キャッシュカードを自宅に取りに来る」キャッシュカード詐欺盗や、自治体職員などを騙る還付金詐欺も増えている。保土ケ谷警察署生活安全課では「電話でキャッシュカードの話が出たら詐欺。暗証番号は他人に絶対教えないで」と話す。
「そもそも電話に出ない」
「最大にして唯一の対策」は、そもそも電話に出ないこと。同課では「犯人は自分の声が録音されることを嫌います」と留守番電話の常時設定や、警告音声が流れる迷惑電話防止機能付き機器の設置を呼び掛けている。
ネットの架空請求も
最近区内でも被害が起きているのが、架空料金請求詐欺。パソコンやスマートフォンを使用中、「ウイルスに感染しました」と指定の番号に電話を促す警告が表示され、連絡すると電子マネーのシリアルナンバーを要求されるのが典型的だ。同課では「『電子マネーを買ってください』は詐欺。警告が表示されても電話しないで」と注意喚起している。
2023年は8月までに交通死亡事故4件
二輪車事故の比率高く
保土ケ谷区内での交通死亡事故は、2023年は8月末までの間に4件発生。保土ケ谷警察署では交通安全を呼び掛けている。同時期の人身事故発生率は前年比マイナス26.5%と県下2位の減少傾向にあるものの、依然として二輪車が関係する交通事故が構成率41.7%と県下でもトップクラスとなっている。
区内では山坂が多い地域特性もありバイクを移動手段とする人も多く二輪車事故の比率が長年多い。2023年に起きた死亡事故のうち2件はバイクが関係するものだった(いずれも暫定値)。前年の月別事故発生数を見ると、秋から冬にかけて交通事故発生件数も増えている。
保土ケ谷警察署では「車両同士の追突や、交差点での右折×直進の事故、歩行者横断中の事故などが多く発生しています。無理なすり抜けやスピードの出しすぎは事故の原因です。ゆとりある運転をお願いします」としている。
横浜市防犯協会連合会、鈴木会長に聞く「一歩踏み込む防犯を」
保土ケ谷防犯協会の鈴木方規会長が、2023年8月9日付で市内の各防犯協会を束ねる横浜市防犯協会連合会の新会長に就任した。市内の治安状況や地域の防犯意識向上について聞いた。
新会長に就任した心境は
「8月の理事会を持って会長に就任しました。今まで防犯協会というと活動は地道にやっていますが、市民区民に対して活動が見えるようにしていかなければいけないと思っています。市防連の活動といえば年末の防犯功労者表彰ですが、今年は初めて市役所のアトリウムで公開して行なう予定です。より他にも一歩踏み込んで、各区の防犯協会とお互いに連携・情報共有のできる活動を目指していきたい」
市内各区の防犯協会を束ねる立場です
「各区の協会と連携した事業なども今後前向きに考えていきたいと思っています」
保土ケ谷区内の治安状況についてはどうお考えですか
「区内の犯罪の認知件数自体は減少傾向にありますが、特殊詐欺をはじめとする被害は変わらず起きています。市民にとって『安心・安全』を担保できる横浜に向けて犯罪を抑止できる街を構築していきたい」
地域の防犯意識向上に大事なことは
「地域の防犯は、立場の弱い人に寄り添う姿勢が大切。自分の財産・生命を守るのは防犯も防災も同じ。『お互い様』の精神での自助共助が大切だと考えています」
防犯協会青パト新車に
17年ぶり新車納入
保土ケ谷防犯協会と保土ケ谷企業防犯協力会が使用している防犯広報車(青パト車)が2006年以来に新しくなり、9月7日に納車された。
これまで使っていた青パト車は2006年に納車。防犯指導員が乗車し、特殊詐欺被害への注意を呼び掛ける音声などを掛けながら週2回程度区内をパトロールしている。この日はディーラー立会いの下、保土ケ谷警察署の駐車場に新車両が納車。防犯指導員らは青色灯の点け方や音声の流し方などを確かめていた。
保土ケ谷防犯協会の鈴木方規会長は「前の車は商用車タイプだったので乗りやすくなったのでは。引き続き特殊詐欺や空き巣被害への警戒を呼び掛けていきたい」と話した。
県下で自転車盗難増加中
「短時間でも施錠を」
2023年に入り、神奈川県内全域で自転車盗難の被害が増加している。
県警ホームページの統計資料によれば、同年1月~8月に起きた自転車盗は暫定値で7250件。このまま推移すると前年一年間の8499件を上回るペースとなっている。
保土ケ谷警察署管内では70件と例年と比べ横ばいだが、隣接する戸部警察署や旭警察署管内では前年同期比を上回っている。被害の約3分の2は無施錠の自転車。保土ケ谷署では「自転車から離れるときは路上等に放置せず、短時間でも鍵を掛け、できれば複数施錠を」と呼びかけている。
隣接小学校の登校見守り
初音丘幼稚園・渡邉啓一理事長
「おはよう。いってらっしゃい」「ちゃんと横断歩道を渡ってね」「車が来ているよ。気を付けて」。
車道を歩いている児童や横断歩道から離れた場所から道路を渡る児童、数人で横並びになる道路を歩く児童に注意を促すのは初音丘幼稚園の渡邉啓一理事長。幼稚園に隣接する初音ヶ丘小学校の児童が登校する7時45分ごろから8時30分ごろまで、横断歩道に立ち、児童の安全を確保する活動を続けている=写真。
活動を続けていると、「『ひやっ』とする場面に出くわすこともある」という。交通安全協会の交通安全指導員という顔も持つ渡邉理事長は「交通事故に巻き込まれないよう、登下校時における道路の歩き方や横断歩道の渡り方、横断歩道では信号が青でも一度止まり、左右確認の後、もう一度右を見て手を挙げて渡ることなど、交通安全の基本的なことをお話しする機会をご家庭でも設けていただけたら」と話す。
満天の湯は免許返納で特典
高齢運連者の事故増加受け
上星川の温浴施設「天然温泉満天の湯」では運転免許証を自主返納することで発行される運転経歴証明書を提示した利用者を対象に入浴料の割引などの特典が受けられるサービスを行っている。
2019年に東京・池袋で高齢者が運転する乗用車が暴走。横断歩道を渡ろうとしていた母子2人が死亡する交通事故が発生して以来、高齢ドライバーによる事故は社会問題となっている。満天の湯では運転免許証を自主的に返納するきっかけになればと、県高齢者運転免許自主返納サポート協議会に加盟。運転経歴証明書を提示すると、レンタルタオル付き入浴料(通常1400円)が5人まで160円引きとなり1240円となる。また500円以上の食事をするとソフトドリンクが本人のみ無料となる特典が受けられる。
同施設の久下沼伊織常務は「運転に不安を感じている方が自主的に運転免許証を返納しやすい環境作りの一助となれれば」と話している。