コロナ下で廃業した真鶴半島遊覧船事業を、株式会社真鶴ベイマリーナ(高橋敏光代表)が引き継ぎ、今年7月から運航している。観光だけではなく、緊急時の海路のルートしても計画が進んでいる。
同遊覧船は、元々は都内の事業者が運航。真鶴港を出港し、三ツ石を海上から眺める約30分の遊覧は観光客からも人気を集めてきたが、コロナ下で2022年に廃業した。「引き継ぐ事業者がいない」と町民から相談受けた高橋代表は「長年地元で船体の修理などに携わってきた。力になれるなら」と引き継ぐことを決意。同時に、19年に熱海伊豆山の土砂崩れで道路が閉鎖され、真鶴町は孤立したことが脳裏に浮かんだ。「同じような災害が起きたら、船なら人や物資を運べる」と思い立ったという。
遊覧船事業許可を取得し、エンジンや内装などもリニューアル。現在、国土交通省と災害時などの人員と物資の輸送ルートも構築中だ。
高橋代表は「乗船率はまだ少ないが、万が一に備えて運航を続けたい」と話した。