小田原短期大学食物栄養学科で39年間教員を務めた経験を持ち、寒天の研究家としても活動する真鶴町在住の著述家・中村弘行さん=人物風土記で紹介=が小説『みかん山の魔女』を1月1日に発行した(文芸社セレクション・660円税込)。
同書は、小学5年生の聡子が、みかん山で足をすべらせ、戦時下の湯河原にタイムスリップし、当時の食軽視(飢え)と闘う物語。中村さんは、湯河原町立図書館で横浜市の学童疎開先が湯河原町の温泉旅館だったことを知り興味を持った。調べる中で旅館は海軍病院にも使われており、傷病兵と児童との交流があったことから小説を書き始めたという。小説コンクールで一度は落選するも、ウクライナやパレスチナの戦争から「今こそ、戦争の現実と平和の大切さを伝えたい」と加筆し、出版に至った。
書籍は全国書店、インターネットで発売中。