県立三浦初声高校の和田キャンパス内に「スタンドショップ」が開店した。生徒が「B品」と呼ぶ規格外野菜を加工した商品を販売。5月15日にはオープニングセレモニーが行われ、第1弾メニュー「トマトスムージー」が集まった近隣住民らに振る舞われた。
和田キャンパスでは授業の一環として、教諭の指導を受けながら生徒が丹精込めて生産した野菜や草花などの直売会を実施。毎週水曜の恒例イベントで、多くのファンでにぎわっている。
ただ形や大きさ、キズなどが原因で出荷できない作物もあった。また農場長の藤巻聡教諭は「これからの農業には6次産業化が求められる。生産技術だけでなく、加工品を手掛ける人材育成が必要」とB品を有効活用するとともに生徒の学びを深める目的で、立食スタイルの店舗を建てることにした。
昨年12月に完成した6畳ほどの建物内には、キッチンや冷蔵庫など設置。
ここで放課後、食品研究部が中心となって商品を企画。材料は直売会で売上の大半を占めるトマトに決めた。池蓮部長(3年)は「口当たり良くするため、しっかり裏漉し。甘夏も皮ごと加えた。苦みが出る白い綿を取り除くなど細部までこだわった。」と3カ月にわたって試行錯誤を繰り返し、ようやくメニューを完成させた。
スムージーを飲んだ人には「味」「匂い」「改善点」などを記載するアンケート用紙も配布され、地元の女性は「サラサラとした舌ざわりで、癖もなく、飲みやすかった」と感想を述べた。
今後は参加者から寄せられた意見を反映しながら不定期で開店していく。