県の方針、中原区で初の統廃合
神奈川県警はこのほど向河原交番が2025年3月に廃止され、中丸子交番に統合されると公表した。区内の交番が統廃合されるのは初。推進する「交番等基本計画」に基づき、警官の再配置で複数勤務体制を確立し、事件・事故への対応力を向上したい考え。
県警は19年に基本方針を示しており、交番の老朽化、DVや特殊詐欺等への対策など警察業務の多様化による複数勤務体制の必要性を背景に、県内の470カ所以上ある交番を統廃合し、10年間で400カ所程度に整備するとしている。
向河原交番の問題点
区内で計画に該当する向河原交番。築50年以上で老朽化が進み、駐車場がない点など、持続可能な交番運営のためパトカーの増車で地域の治安対策を進めて行く基本計画に沿わない。また、狭い敷地は建て替えによって設備強化ができないという問題もあるという。
一方、統合先の中丸子交番は駐車場があり、築16年と比較的新しく、南武沿線道路沿いに建つ点など、状況に応じ迅速に対応できる利点もある。
車両型交番、導入も
今回の統廃合で勤務員の削減は行わず、向河原交番勤務の警官は中丸子交番に配置される。これで中丸子交番は複数の警官による勤務体制が確立され、広域となる管轄エリアをカバーし交番機能の強化を図るという。
また、交番とパトカーの両面を備えた車両型交番「アクティブ交番」の導入も視野に入れる。市内では川崎区や幸区、多摩区で交番の統廃合に合わせてすでに運用中。中原署の担当者は「向河原交番が管轄している地区をはじめ、近隣地域の住民に安心してもらえるよう機動力を生かして地域の安全を守っていきたい」と話している。