演奏する姿も美しい、癒しの音色・ハープを、もしも自分の両手で弾けたら・・小田急線本厚木駅の近くに、誰でも気軽に始められるハープ教室がある、と聞いて早速「グレースハープ厚木店」にお邪魔してみました。ハープと聞くとヨーロッパの宮廷で使われるようなイメージがありますが、ジブリ映画「借りぐらしのアリエッティ」で注目されたり、アニメや映画のBGMにも意外と採用されています。「あの曲がやりたい」とやって来る人も多いとか。
子どもやサラリーマンも。初心者でも大丈夫 伊勢原や海老名、小田原の方も
場所は本厚木駅東口から徒歩5分ほど。南側に向かって歩くと、東側のビルに教室が見えます。
階段をのぼってドアを開くと、そこにはずらりと並ぶ大小のハープが。弦の数もカラーも様々で、ハープ博物館のよう。
レッスンはマンツーマンで、1回40分。予約制の体験レッスン(30分千円)もあり気軽にお試しできます。入会金は6,000円で、コースは月1回(4500円)や月2回(9,000円)など仕事や家事の都合にあわせて受講が可能。
- まったく楽器に触ったことのない初心者の人から、ピアノなどの経験者、子ども、サラリーマン、脳トレで始めた高齢の受講生も。厚木だけでなく伊勢原や海老名、小田原から通う人もいます。
受講生の男性(伊勢原市)に始めた理由を聞いてみました。「動画で色々な楽器を聴いてハープの音に心を動かされて。癒しのために続けています。最初は自分にできるのかと思いましたが、スモールステップで教えてくれましたね。簡単な1曲が弾けるようになると、また頑張ろうと思えます」。最近は男性の受講者が増えていて「子どもに聴かせたい」というパパも通っているそう。
意外とカンタン 指1本からスタート!
楽譜すら読めない記者(男性)も体験してみました。赤の弦が「ド」で、青が「ファ」で色分けされて、これはピアノより分かりやすいのでは・・。レバーを動かすと半音が変わり、鍵盤の黒鍵の音が出る仕組みです。
まずは目の前の弦を一本ずつ人差し指ではじくところから。体に密着した楽器から体へと音が響いてきました。弦をはじいた両手の指を、握った形に戻してゆく動きが基本フォームで、これができるようになると、また優美です。初心者の一歩一歩を喜んでくれる優しい先生。指の動きを増やし、ひとつずつ自分のものにしていくのも楽しい。
自分の演奏動画をウェブ公開
受講者の女性(厚木市)は、たまたま教室の前の道を通っていた時にグレースハープの存在を知りました。当時レンブラントホテルで開催された発表会に行ってみたところ、小さな子がハープを演奏していて「これならできるかも」と入門。最初は小さな12弦でドレミ・・・から始め、今では26弦で演奏できるほどに。習った曲を1曲ずつスマホで編集して、Youtubeで配信。そのリストは14曲にもなりました。今の目標は「感情をもっとこめて演奏すること。視聴してくれる方が増えたら・・」とのこと。
- こちらの動画もチェック!曲名は「アイルランド民謡マハラリィの花」です
- グレースハープはオリジナル教則本を沢山出しているのも特長のひとつ。レパートリーがどんどん増やせます。ハープ講師養成講座もあり、イタリアの教室とも連携、認定試験合格で認定証が授与されます。
ハープは身近な、自由な楽器
グレースハープの代表・二瓶佳子さんがハープに出会ったのは、学生時代のこと。留学先のカナダでハープの路上演奏を見て衝撃を受けました。それまで宮廷音楽的なイメージだったのに、奏者はTシャツとジーパン姿だったのです。「こんなスタイルでもいいんだ」。早速自分も始めようと先生を探し出し、ハープを学びました。
その後、友人たちとユニットを組んで教会で演奏することに。プロの演奏ではなくとも、拍手とともに喜んでくれる人や、涙を流す人がいました。音楽の素晴らしさ、ハープがどんなスタイルでも演奏できる、自由な楽器であることを実感したそうです。
日本に帰国すると、ハープのレッスンや楽器も高額であることに気づきました。楽器店に行ってみても気軽に触れない雰囲気。「もっと気軽にできるハープはないだろうか、ハープを広めたいな」と思ったそうです。
もともと起業への思いもあり、海外の楽器工場を訪ねて制作・輸入販売をスタート。そして最初の教室を構えたのが、この厚木だったのです。その後全国各地に直営教室や提携教室が増えました。
ハープがずらり 眺めるだけでも楽しい
「こんなハープがほしい」。生徒の声を工場に伝えて形にするうちに、その数は40種類以上になり、自身がデザインしたオリジナルのハープも世に送り出しました。そのひとつに天使の羽をイメージした小型のハープ。二つを対称に置くと確かに羽そっくり。
「乙女ハープ」は坂本龍馬のお姉さん・乙女がモチーフ。キラキラした音や優しい音までガンガンと弾ける逸品で、幕末の風雲児を育てた豪快な女性を彷彿をさせます。材料によっても音色が変わり、ウォールナットやメープルなど様々。アフリカ産の貴重な材「ブビンガ」を使ったハープもあり、その音は格別。
サイズは1オクターブの小さなハープなら子どもが触れても楽しいし、持ち運びもラク。膝に載せてどこでも弾けます。大型のハープも並んでいます。どれを選ぶのも自由で、試奏もOK。眺めるだけでも楽しいし、一度足を運んでみるのもおすすめです。