2024年市制100周年を迎えた川崎市。工業地帯や都会のイメージが強い川崎市の中でも、最北に位置する麻生区は、特に豊かな自然を有し、貴重な農業・環境資源を誇っています。
- そんな魅力を最大限に活用するため、区が推進しているのが「麻生区グリーンツーリズム」です。
そもそもグリーンツーリズムって?
「グリーンツーリズム」とは、簡単に言うと「都会に住む人が自然豊かな地で体験・交流をすること」。
川崎市ではこれを進めることによって、地域について①魅力を知り、②関心を持ち、③好きになってもらうこと、を目指しています。麻生区役所の担当者は「豊かな緑、農地、地域資源があることを知ってもらう。そして麻生区に足を運んでいただければ」と思いを語ります。
麻生区ではどんな活動があるの?
この取り組みのポイントは、ズバリ「実際に体験すること」。魅力をその身で実感してもらうことで、まちのことをより好きになってもらうことが大切です。ここからは、今年度の麻生区グリーンツーリズムの活動をご紹介します!
初夏の岡上ぐるりツアー
里地里山の原風景が残る「岡上」。麻生区の飛び地としても知られるこの地を、普段自然や農業から遠い人にも知ってほしいと企画されたのが、6月30日に開催された「初夏の岡上ぐるりツアー」です。
自然はもちろん、都市農業や美しい庭園の整備、里山保全など、自然を生かした様々な取り組みを行う「人」が多いのも岡上の魅力のひとつ。今回は、そんな人達の協力のもと、それぞれの思いが詰まった活動を、まとめて「ぐるり」と周遊する1日となりました。
季の庭(ときのにわ)
個人の庭を一定期間、一般公開する「オープンガーデン」。岡上在住の杉浦百合子さんが手入れする「季の庭」が毎年春と秋に開放され、地域の人たちがその鮮やかな花々を楽しみに訪れてます。
今回はアジサイなど、この時期しか見れない植物が青々と育っていました。冒頭に杉浦さんから解説を聞いたあとは自由に鑑賞。質問を投げかける参加者の姿も見られました。
岡上梨子ノ木緑地
青葉区と町田市に隣接する「梨子ノ木緑地」は川崎市の特別緑地保全地区となっています。この地を守るのが、NPO 法人「かわさき自然と共生の会」。樹木や野道の手入れなど、この緑地の保全活動を定期的に行っています。
同会の会長も務める和光大学・堂前雅史教授は、写真を見せながら緑地や岡上に生息する動植物を説明。参加者は熱心に耳を傾けていました。
岡上野菜の収穫体験
今回楽しみにしていたという参加者も多かったのが「岡上野菜の収穫体験」。農事組合法人岡上営農団地管理組合の協力のもと、2種類のジャガイモを自らの手で収穫しました。
「農家メシ」に舌鼓
自然に触れながら歩き続け約2時間。岡上で採れた食材を使った「農家メシ」を食べながら、ツアーの最後を締めくくりました。ここでの協力者は、「都市農業の変革」をテーマに多岐にわたる活動を行う、農業生産法人(株)カルナエストの山田貢代表取締役。
今回のメニューは「岡上米で作ったイチゴのお赤飯(!)」と「岡上野菜のラタトゥイユ」。参加者からは「おいしい!」「このご飯も込みでこのお値段は安い」という声と共に、笑顔が見られました。
喜びの声多数
今回の体験で岡上に初めて訪れたと答えたのは、参加者28人中57%の16人。参加した人たちは「麻生区のイベントに参加したのは初めて」「自然いっぱいの岡上素敵!」「近くなのでこれからも出かけてみたい」と、喜びの声を聞かせてくれました。
担当者は「参加者の方が興味深く質問してくれたり、解説を聞いている姿が印象的。今回は100周年記念事業として、グリーンツーリズムを通して岡上の魅力を丸ごと体感していただけた。豊かな緑と農地に恵まれた地域と、そこで活動する人との交流のきっかけになればうれしいです」と手応えを語りました。
今後体験できる活動は?
①麻生区黒川夏野菜の収穫体験(募集は締め切りました)
市内在住の子どもとその保護者を対象にした夏野菜の収穫が行われます。神奈川県オリジナルの水ナス品種の収穫、明治大学学生による美味しいトマトの作り方講座などなど、普段はできない貴重な体験が楽しめます!
- 開催:7月30日(火)午前10時~正午
- 開催場所:黒川営農団地管理組合倉庫前
②11月にも実施予定~内容はお楽しみに!~
麻生区にはこのほかにも、自然を最大限に活かした活動がたくさん!
担当者は「今年は全国都市緑化かわさきフェアも開催されます。川崎に自然のイメージは少ないかもしれないけど、さまざまな体験から地域の人の取り組みを知って、参加してほしいですね」と力を込めます。
- 「知って、関わって、好きになる」。ぜひこの機会に川崎が誇る「緑」にも目を向けてみて下さいね!