火災、地震、台風などの災害発生時に『地域の防災リーダー』として活躍するのが消防団員です。横浜市の栄消防団(加藤正基団長)は、1986年に行政区再編によりお隣の戸塚消防団から分離し、誕生しています。2024年10月現在で約320人(4分団11班)が所属しており、栄区内に11カ所の器具置場、11台の積載車、15台の可搬式小型動力ポンプほか、人命救助用資機材等を取り扱い、防火・防災活動に従事しています。
- 栄消防団の加藤団長と各団員に入団した経緯や消防団の魅力についてお話を聞きました。
「家族を守る術を学べる」「仕事・プライベート・消防団と充実」「アットホームな先輩が多い」
2024年4月に新団長へ就任したのが加藤さんです。
団員だった父親に誘われ21歳の時に入団し、40年以上が経過している大ベテランです。床上浸水などの被害が大きかった台風22号(2004年)の時には、「消防署と連携し消防団活動に従事したことが記憶に残ります」と語ってくれました。加藤さんは「地域の防災に役立っているから」と胸を張り、「防火・防災の意識向上やいざという時に自分自身や大切な家族、仲間、近隣住民を守る術を学ぶことができる」と活動に誇りを感じている様子でした。
夫婦で活動
第一分団第1班所属の小泉勇さん・智子さんは夫婦で消防団活動に参加しています。栄区が誕生した時に団員に誘われたという勇さんは活動歴約40年ですが「やめようと思ったことは一度もありません。気が付いたらこの年齢になっていました」と笑顔で語ってくれました。智子さんは班長経験が長い勇さんからアドバイスをもらいながら、班長として団員をまとめています。「夫婦で消防団活動をやっていて共通の会話が増えました」「お互い忙しいことを理解し合えるため、少しくらい家事をさぼっても文句を言わなくなりました」などと冗談交じりに語ってくれました。夫婦二人三脚で地域の防火・防災活動に尽力しています。
「まちに知り合いが増えた」
第三分団第2班所属の神代竜太郎さんは知人の勧めもあり、2022年に入団しました。「入団前の消防団の印象は、訓練や集まりが多く先輩方も厳しそうな印象でしたが、まったく違いました。今ではロープワークを覚え、テントが張れるようになりました。仕事や生活に合わせて消防団の活動もできています」と仕事・プライベート・消防団と充実している姿が印象的でした。
生活も充実
第二分団第1班所属の安藤知貴さんは2019年から団員として活動しています。出初式では放水演技の担当として選ばれ一斉放水に携わるなど『栄区民のため』に全力で活動しています。「家族からも応援されながら地域の仲間とも親しくなれて生活も充実しています。また、地域の結びつきが強くなることで防犯レベルの向上につながります」と満面の笑みを見せてくれました。
20代の若手消防団員
鍼灸師として働きながら、第四分団第1班の団員として活動する関谷健汰さんは、20代の若手です。幼少期に神明社の祭りで消防車に乗せてもらった経験が記憶にあり、次は自分の番だと2023年に入団しました。
小学校や幼稚園の防災訓練などに参加し、「地域密着で活動していることをまじまじと感じました。ブルーのユニフォームを着ていると『頑張ってね』と声を掛けられるので責任を感じます」と話してくれました。「夏祭りの警備にも参加しましたが、先輩方からもいろいろな話を聞くことができてアットホームな雰囲気です」とコミュニケーションも円滑に取れているそうです。
「自分自身も活動してみたい」
東京でシステムエンジニアとして働く谷脇力さんは第三分団本部の部長です。町内会の防災訓練に来ていた消防団員を見て、「自分自身も活動してみたい」と2007年に入団し、15年以上が経過しました。「外から見ると厳しいのかな?と思われることもあるのですが、実際に入団してみると活動ができるときに自分のペースで楽しく活動できています」と充実した日々を送っているようです。
「子どもたちの未来のために」
鍛冶ケ谷町のやまゆり幼稚園教諭ら10人も第三分団本部の団員として活動しています。消防団の活動の中で救命講習やケガの手当の方法などを学び、それを「子どもたちの未来のために」と園児の命を預かる教育現場で活かしながら、防火・防災活動の大切さをお子さんや親御さんたちに伝えています。
「自分のため、みんなのため、まずは一歩踏み出してみてください」
栄消防署担当者は「消防団の皆さまは栄区における『地域の防災リーダー』です」と評し、災害発生時の地域防災活動の中心的な立場を担うことになります。自助・共助・公助とありますが、自分の地域やまちのことは自分たちで守る=自助がまずは大切になります。栄消防団では、各種資機材の取り扱い訓練や夜間短時間訓練など、初めて入団する方でも安心して活動できるプログラムが揃っています。2024年10月に栄消防署で開催された夜間短時間訓練(自由参加)には団員ら約15人が参加しました。交通事故など強い衝撃等による傷病者の対応について消防署員からレクチャーを受けていました。
栄消防団の加藤団長は「興味のある方はお気軽に消防団活動に参加ください。あなたの気持ちが栄区の防火防災に必要なんです」と話してくれました。
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