身を包むように響く蝉の合唱と、風に揺れる枝のざわめき。時折交じる鳥のさえずりを聞きながら、切り立つ岩肌を眺めて歩く「大仏切通」。かつて難攻不落とうたわれた鎌倉へと通じる古道の風景を今に伝える国指定史跡でもある。
夏は猛暑が当たり前となって久しいが、木々に囲まれた大仏切通に吹き抜ける風は、汗ばんで火照った肌に心地よい。
小径で夏の時間旅行
決して歩きやすいとは言えない岩の佇む山の小径を進むと、街の喧噪は届かない秘境。歴史に思いを馳せて道の先を眺めると、曲がった先から甲冑武者が姿を現すような幻想を抱く時間旅行のひとときだ。
歴史ある鎌倉ならではの史跡を、夏の散策に歩いてみては。