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【はだのde脱炭素・企業訪問レポvol.3】宇宙へも挑む「岳石電気株式会社」の取り組みとは?

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【はだのde脱炭素・企業訪問レポvol.3】宇宙へも挑む「岳石電気株式会社」の取り組みとは?

秦野市戸川に本社のある「岳石(たけいし)電気」は、タングステンなどのレアメタル(希少金属)を扱う専門集団です。サザンオールスターズがデビューした1978(昭和53)年に創業。「スピーディ&フレキシブル」をモットーに、これまで精密加工を中心に作られた製品は数十万点に上ると言います。

秦野市戸川の本社工場

独自技術で白熱電球から宇宙へ

照明用フィラメントコイルの製造からスタートした同社ですが、サッカースタジアムや企業のプロジェクターなどにも採用される照明分野にとどまらず、現在は医療、原子力・放射線、センサー・分析機器、殺菌・熱処理、電子部品・半導体分野に製品を供給しています。

  • 最近では、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同開発で、金属のタングステンを用いて人工衛星を燃料ではなく電子の力で制御するテストに加わっています。もしかしたら、1~2年後に岳石電気の製品が宇宙へ翔く日が来るかもしれません。

このように幅広い分野で、国内外に製品を提供する岳石電気では、世界的に進められる脱炭素の取り組みもスタートしています。国の「2050年カーボンニュートラル」および秦野市の「ゼロカーボンシティ」の指針に基づき、脱炭素社会の実現に向けて策定した方針は以下の通りです。

本社屋上には太陽光パネル

(1)長期ビジョンと数値目標

  • 2050年までにカーボンニュートラルを達成
  • 2030年までにCO₂排出量を2021年度比で46%削減(秦野市目標に準拠)
  • 2024年度に2021年度比で54%削減

(2)省エネ・創エネの推進

  • 工場・オフィスのLED化(全エリア)、インバーター制御などによる省エネ
  • 太陽光発電設備の導入や再生可能エネルギー電力の利用

(3)地域資源と連携した環境保全

  • 「水とみどり」に育まれた秦野市の自然環境を守る活動に参加
  • 森林保全や植林活動を通じたCO₂吸収源の確保

(4)サプライチェーンと地域社会との協働

  • 調達先と連携し、排出削減を推進
  • 地域企業・自治体との協力による脱炭素プロジェクトへの参画

(5) 教育と意識向上

  • 社員への環境教育を強化し、省エネ・脱炭素行動を浸透
  • 地域の環境啓発活動への積極的な参加

「やらされている」→「楽しむ」

現在の取り組みについて説明する管理部の前反さん

地域と共生しながら脱炭素社会の実現を目指す岳石電気。プロジェクトを中心となって進める管理部生産管理課の前反孝夫さんは、「『やらされている』から『楽しむ』取り組みにしていきたい」と話します。

方針に沿った具体策も掲げています。

CO₂排出量を見える化

算定ツールを使用してCO₂排出量を見える化し、削減目標と比較。2021年度分まで遡ってデータを入力しており、棒グラフが年を追うごとに減っていっています。

  • 前期の2024年度は、その前の2023年度と比較してCO₂排出量が半分ほどに削減できました。

排出量削減を後押ししたのがこちらの取り組みです。

●工場のLED化(一部)

●熱処理炉の稼働制限

金属を加工するための熱処理炉

以前までは24時間365日稼働していた熱処理炉ですが、現在は1週間のうちの金曜夕方から月曜夕方にかけて3日間は休止させます。その分、稼働日の4日間に作業を集中させるよう計画し、エネルギー消費の効率化を図りました。

●ハイブリッド型のチラー(冷却器)導入

ハイブリッド型のチラー

工場において、炉の温度を一定に保つために用いられる循環水の冷却装置「チラー」。これまで、循環水は100%電気を使って冷却していましたが、写真の空冷設備を導入したことで「半分電気、半分空冷」のハイブリッドに。電気消費量を大幅に削減することができました。

●脱炭素型燃料(水素)の活用

工場屋上へ太陽光発電設置

使用電力/日:2,600~3,300kWh、発電量/日:360~770kWh、発電率:20~30%(土日は40~50%)

金属スクラップの100%リサイクル⇒新規原料の採掘・精製に伴うCO₂排出を回避

●梱包材の再利用・削減

●製造工程での歩留まり改善による廃材削減

●ペットボトルキャップ回収

SBT認定取得に向けた活動

温室効果ガス排出削減に取り組む企業として、国際的な認定制度「SBT」の取得が目標。

さらに、社員向けの教育プログラムを作成していたり、省エネチャレンジなどの企画を検討したりしているそうです。

脱炭素社会に向けた動きが少しずつ活発化している岳石電気。今後も、「取引先とともに環境に関する活動を積極的に進めていきたい」と話しています。

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住所

神奈川県秦野市戸川32-1

問い合わせ

岳石電気株式会社

電話

0463-75-1682

0463-75-1682

ホームページ

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公開日:2025-09-19

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