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脱炭素に向け共同体「はだの脱炭素コンソーシアム」設立 秦野市内など35事業所参画

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脱炭素に向け共同体「はだの脱炭素コンソーシアム」設立 秦野市内など35事業所参画
ディスカッションに熱が入る参加者

 秦野市役所教育庁舎3階大会議室で2023年6月2日、「はだの脱炭素コンソーシアム」の設立総会と第1回定例協議会が行われた。総会にはコンソーシアム(共同事業体)に参加している35事業所のうち、24事業所から40人が出席。先進事例などの発表や意見交換、ワークショップを行った。

 「はだの脱炭素コンソーシアム」は国際的課題である地球温暖化に対し、秦野市が2021年2月に挑戦を表明した「2050年ゼロカーボンシティ」に関する取り組み。市内に所在する事業者や、秦野を中心に活動する事業者が自発的に取り組むことができる環境を作ることで、「オール秦野」で課題解決の実現に向け進めていく。

 コンソーシアム始動に向け、秦野市では昨年度から設立準備を開始。準備段階で約20社が応募し、設立総会決定後に希望事業所が増え現在35社が登録されている。この中から、市との包括連携や、先行して脱炭素への取り組みを行っている10事業所を、中心的役割を担う「イニシアチブパートナー」に位置付けた。

 「入ってくる情報は、そのほとんどが大手の先進事例で、中小企業や個人事業者にはピンとこないことが多い。同じ課題を抱えている事業者が集まり、悩みや取り組み、知識、経験を共有する機会を設けることで、ゼロカーボンを推進することが目的」と市環境共生課では話す。

情報共有の場に

 設立総会では高橋昌和市長によるあいさつのあと、事務局を務める環境共生課脱炭素推進担当が概要を説明。その後、イニシアチブパートナーを務める小田急電鉄株式会社とレイモンジャパン株式会社による先進事例の発表、外部から招いた株式会社セブンコーポレーションと三井住友ファイナンス&リース株式会社による脱炭素への取り組みのショートプレゼンテーションを聴講した。

 途中休憩を挟み、第2部は意見交換と情報共有の時間が設けられた。5つのグループに分かれ親交を深めたあと、カードゲームを使ったワークショップを実施した。

 これはグループで話し合いながらSDGs目標を達成するというもので、同じカードを使ってもグループで異なる結果が出ることがある。その違いと自分たちの結果を合わせさらに考察を深めることを目的とするもので、各グループ熱のこもったディスカッションが行われた。

 参画事業所の一社である日興電機工業株式会社(本社/秦野市菩提)は、脱炭素に対する取り組みをCSR(企業の社会的責任)に並ぶ喫緊の課題と捉え、新たな体制を作り取り組み始めたという。今回出席した同社商品企画本部エネルギー管理課の小川史朗さんは、「なかなか情報を共有できないので、こういう場が欲しかった。今回得た情報を持ち帰り、今後の参考にしたい」と意欲的に語った。

持続可能な経営を

 市環境共生課でも、脱炭素はかつての環境ISOのように今後、企業として必須の取り組みになる可能性があると認識している。「特に大手企業と取引のある中小・零細企業は、やらないと取り残されてしまう可能性がある」と同課では危機感を抱いている。

 そのため、今後は事務局からさまざまな情報発信などを行っていくほか、定期的な定例協議会の開催を計画。また、外部にも呼びかけ、参画事業者のさらなる拡充を目指していく。

 「行政からああしろ、こうしろと言うのではなく、参加した方々が自ら考え情報を共有していくというのが、コンソーシアムのキモになります。異業種間で知恵を絞ることで、面白い結果が生まれるのでは」と、市環境共生課では期待を寄せている。

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住所

神奈川県秦野市

公開日:2024-10-23

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