創立から90年以上の歴史を誇り、三浦半島・横須賀の地で多くの卒業生を社会に送り出してきた三浦学苑高等学校。近年、生徒数の増加とともに、多様なニーズに応えようと、施設のリニューアルや新たな教育活動を積極的に展開しています。
今回は、学校生活の中心で活躍する生徒会メンバーにインタビューを行い、生徒目線で見た「三浦学苑のリアル」について聞きました。協力してくれたのは、加藤汰一会長(3年/工業技術科デザインコース)と丸山奈暖副会長(2年/普通科進学コース)のふたりです。

生徒会を代表して加藤会長(右)と丸山副会長
【目次】
◆一人ひとりの未来を描く、多彩なコース編成
◆生徒が主役! 伝統と革新が共存する学校行事
◆学びと交流を加速させる、充実の最新施設
◆仲間と共に高め合う、活気に満ちた部活動
◆【学校説明会】【入試相談会】【平日個別相談会】
◆一人ひとりの未来を描く、多彩なコース編成
高校の3年間は、自分のやりたいことをみつけ、実現させていくための大切な準備期間。三浦学苑では、それを支える環境とサポート体制を整えています。大きく分けて普通科と工業技術科(2科5コース)があり、それぞれの科の中に生徒の進路や興味に応じた専門コースが設置されています。
【普通科】
- 特進コース:国公立大学や難関私立大学(GMARCH以上)への現役合格や、英会話力を身に着けて国際社会で活躍するための力を養うカリキュラムが設定されています。月・水・金の7時間授業、土曜日の午前授業、長期休暇中の集中講義など、なかなかハードな毎日のようですが、生徒は皆、向上心と目的意識を持って臨んでいます。

国公立・難関私立大学進学に対応したカリキュラム
- 進学コース:「勉強も部活も」と、文武両道で高校生活を充実(エンジョイ)させたい生徒が在籍しており、卒業後の進路は大学進学が85%(2024年度)。「英語学習」や「探求学習」に力を入れ、国際人に必要な社会人基礎力を身につける授業など、一人ひとりに寄り添ったサポートが行われています。

効率のよい学習カリキュラムで文武両道を実践
- 総合コース:将来の夢や具体的な進路について考える時間を生徒に与えながら、基礎学力を定着させるとともに、社会課題解決に挑戦するプロジェクトなどの探求学習プログラムが用意されています。スポーツの分野で力を発揮している生徒が多いいのもこのコースの特徴。大学進学希望者も年々増加しており、関東学院大学と連携した特別プログラムも2024年度からスタートし、多くの生徒が同大への進学を実現させています。

基礎学力の定着を重視した授業
【工業技術科】
- ものづくりコース:日本が世界に誇る工業技術が総合的に学べるコースです。金属加工や機械制御の技術習得はもとより、デジタル時代に必要不可欠なプログラミングや電気工学、ロボティクスまで領域の広さが特徴。社会が求める即戦力を育成しています。加藤会長は「何もないただの金属を、切ったり削ったりして、工具のようなものを一から作り上げます。高校生のうちから大きな機械を使えるのは貴重な経験」と話していました。2025年度から「総合コース」と同様、関東学院大が連携したプログラムにも参画しており、進路選択の幅が広がっています。

現場で活躍できる技術を身に着けるための実習
- デザインコース:工業の観点からデザインについて学びを深めることができるのがこのコース。パンフレットや洋服のデザイン、さらには3DCADを用いた工業製品の設計まで、その領域は多岐にわたります。商品企画から開発・設計・素材選びまでの一連の流れを体系的に習得し、デザイン性と機能性を両立した工業デザインのスキル習得を目指します。

デザインに関する実践力を養う
工業技術科は、生徒の興味や適性、将来進みたい分野などを踏まえてコースを選ぶことができます。
デザインコースを選択している加藤会長は、自分の夢に向かって日々、学びを深めています。
「3DCADを使ってデザインすることに強く惹かれています。将来は航空機のエンジンを手掛けるような仕事に就きたいんです」。
学びの中で目標を見つけ、それに向かって邁進しているようです。
丸山副会長の将来の夢は、ミュージックビデオのディレクター。
「何かを表現する仕事に就きたいんです。資格がない世界で才能が問われる厳しい道ですが、夢ですね」。
現在は、生徒会活動を通じて、イベントの企画・運営に携わっているそう。
「どういう人を対象に、どんなものを選び、どう計画を立てるか。ディレクターに必要な視点を、生徒会活動で実践的に学べていると感じます」。
多彩なコースでの学びと、学校生活での経験が、生徒一人ひとりの夢へと確かに繋がっているようです。
◆生徒が主役! 伝統と革新が共存する学校行事
三浦学苑の生徒会は、学校行事の企画・運営から地域貢献活動まで、その活動範囲は驚くほど広範囲。「会社の総務みたい」と笑う彼らの言葉通り、まさに学校運営の重要な一翼を担っています。
活動のハイライトの一つが、毎年秋に開催される文化祭「ささりんどう祭」。近年、生徒会が主体となって始めたユニークな取り組みに、アパレルブランドの「WEGO」とのコラボレーションがあります。文化祭期間中、校内に特設店舗を設け、生徒たちが販売スタッフとして参加します。
「どんな商品を置いてもらうかWEGOのスタッフの方と打ち合わせをしたり、当日は店員として接客をしたりしました。生徒にとっても大きなイベントになるし、集客力も高まります」。
企業と連携し、企画から運営までを経験することは、社会で生きる力を育む絶好の機会となっています。さらに、文化祭では数年前からキャッシュレス決済(PayPay)を導入。これは生徒の利便性向上はもちろん、「教員の会計業務、特に小銭を数える手間を大幅に削減できる」という現実的なメリットもあるといいます。時代に即した合理的な判断も、生徒たちの発案から実現しているものです。

クラスごとに企画を立てる。なつかしの駄菓子店に挑戦したクラスも
生徒会のもう一つの大きな活動の柱が、横須賀ロータリークラブとインターアクトクラブ(=ロータリークラブの下部組織)連携による地域貢献活動。夏の「24時間テレビ」に合わせた募金活動や、駅周辺の美化活動として定期的に行われる「ガム取り清掃」など、その活動は多岐にわたります。
「協力を呼びかけると、毎回20〜30人の生徒が自主的に集まってくれます」と加藤会長。
地道な活動が、学校全体の社会貢献への意識を高めています。

ロータリーメンバーと一緒にゴミ拾いウォーク
生徒たちの遊び心と企画力が光るのが、終業式などの節目に行われるフードトラック。「夏休みに入る前に、みんなで盛り上がれるイベントを」という想いから、生徒会がハンバーガーなどのキッチンカーをリサーチし、出店交渉まで行うというから驚きです。
企業や地域と対等な立場で交渉し、イベントを成功させる経験は、大きな成長に繋がっているはずです。
◆学びと交流を加速させる、充実の最新施設
カフェテリア(学食)
近年の生徒数の増加に対応すべく、三浦学苑では施設の拡充・リニューアルが積極的に進められています。その象徴とも言えるのが、2023年に完成したカフェテリア(学食)です。 約200席を備えた広々とした空間で、日替わりランチや定番の唐揚げは食券が売り切れるほどの人気。
実はこのカフェテリアの真価は、昼休みだけにとどまらず、放課後になると、生徒たちが自由に使える学習スペースへと姿を変えます。「家に帰るより、学校に残って友達と教え合いながら勉強する方が気軽で効率的」と、多くの生徒がテスト期間を中心にここで学習に励んでいるそうです。先生も訪れて、質問タイムが始まることもしばしば。
活気ある「食堂」と、集中できる「学習空間」。二つの顔を持つこの場所は、今や生徒たちの学校生活に欠かせないハブとなっています。食堂の片隅にはセブイレブンの自販機も設置されており、自由に休憩が取れるようです。

おしゃれなラウンジ風のカフェテリア。放課後は自習や交流のためのスペースに

軽食などが購入できるセブンイレブンの自販機もカフェテリア内に
放送スタジオ
もう一つ、三浦学苑の先進性を象徴する施設が、本格的な機材を備えた放送スタジオ。全校生徒が体育館に集まることが物理的に困難になった今、全校集会や壮行会、生徒会役員選挙などは、このスタジオからYouTube Liveで各教室へ生配信されています。
驚くべきは、その運営を生徒会が主体となって行っていること。 司会進行はもちろん、カメラのスイッチングやテロップ出しまで、生徒たちが手際よくこなしていきます。
「最初は機材の操作も分かりませんでしたが、先生に教わりながら覚えました。台本作りから当日の進行まで、すべて自分たちで準備します」
と丸山副会長は自信ありげな表情で話してくれました。
かつては、このスタジオを使ってお昼の校内放送番組を制作していた時期もあったといいます。「生徒会チャンネルみたいなものを作って、会長と私が雑談するだけの番組を流していました(笑)」と丸山副会長。現在は休止中とのことだが、「野球部のキャプテンをゲストに呼んで夏の大会の意気込みを聞くとか、アイデアはたくさんあります。また復活させたいですね」と意欲を見せます。
生徒の発想次第で無限の可能性が広がる、まさに「未来のメディアセンター」です。

校内情報の発信拠点「M-studio」
生徒の「やりたい」を全力でサポートする環境
施設環境でいえば、校舎前の美しく広大な人工芝グラウンドをはじめ、屋上弓道場や情報研究会が活動するeスポーツルーム、年間を通して利用可能な室内温水プールのほか、校外にも全国レベルの活動を支える本格的な3つのフィールドを(佐島なぎさの丘グラウンド/佐原グラウンド/テニスコート)を設置。
生徒の「やりたい」を全力でサポートする環境が整っています。

屋上に設けられた弓道場

【校外】佐島なぎさの丘グラウンド

【校外】佐原グラウンド

【校外】テニスコート
◆仲間と共に高め合う、活気に満ちた部活動
三浦学苑の特色として、部活動加入率の高さが挙げられます。その割合は実に7割を超えるそうです。
「サッカーや野球、吹奏楽部など、この部活に入りたくて三浦学苑を選んだという生徒も多いです」と加藤会長が言うように、全国レベルで活躍する部も少なくありません。そうした中で、学校全体の一体感を感じさせるのが、硬式野球部の夏の大会応援。生徒会とチアダンス部、吹奏楽部が中心となって応援団を結成し、全校生徒に参加を呼びかけます。スタンドが一体となって選手に声援を送る光景は、三浦学苑の熱気を象徴しています。
仲間が頑張る姿を、学校全体で応援する。そんな温かい風土が、しっかり根付いています。

硬式野球部の夏の大会の応援風景
《まとめ》
今回のインタビューを通じて見えてきたのは、生徒一人ひとりの自主性を尊重し、その挑戦を全力で後押しする三浦学苑の姿。多彩なコースでの専門的な学び、生徒主体で作り上げる学校行事、そして最新鋭の設備。すべては、生徒たちが自らの可能性を最大限に引き出し、未来を切り拓くための土台となっています。「やりたいことがあるなら、この学校は応えてくれる」。加藤会長の自信に満ちた表情が、三浦学苑の今の充実ぶりを何よりも雄弁に物語っていました。
【学校説明会】
11月15日(土)・22日(日) 各日9:30~11:30
【入試相談会】
11月29日(土)、12月6日(土) 各日9:30~11:30
【平日個別相談会】
12月5日(金)まで毎日 放課後15:00~17:00












