伊勢原市の日向渓谷にある「クアハウス山小屋」(日向2184−1)で、地元の「日向石」の粉を粘土に混ぜ込んだ陶芸体験イベントが開催され、市内外から10人が参加。伊勢原市で活動する「源太夫窯」の陶芸家・村山恵子氏、日向石の復活を目指す「Sunny-on」の秋山直敏氏、同施設代表の柳内春氏の3者が連携して実現した企画です。
独自のマーブル模様に
日向石とは、かつて伊勢原の風景を形作りながらも1970年代頃に採掘が止まり、忘れられつつあった幻の石。同イベントは、この日向石の産業に再び光を当てるべく、石を切断した際に出る粉を粘土に練り込む独自の手法を用いています。
体験では、初心者でも安心して制作できるよう、手びねりで紐状の粘土を作り積み上げていく手法が取られました。使用する土について、講師の村山氏は「一般的な粘土のように均一にせず、濃度の違う土を特徴を出すために一度だけ練ってマーブル模様になるように工夫した」とそのこだわりを説明。「昔切り出していた石を使った作品づくりの試みは、伊勢原ならではのもの」と、地元資源を活かした作陶の魅力を語りました。
本企画は、秋山氏が2025年7月に制作した日向石の器を「お店で使ってもらえないか」と柳内氏に持ちかけたことが契機となりました。話し合いの中で、閑散期である冬場の集客の目玉として、施設内で直接陶芸教室を開催するアイデアへと発展したといいます。秋山氏は、「地元を走るバスの本数が減るなどしているが、こうしたイベントに足を運ぶ人が増えれば道が整備されていく。これを機に日向薬師など周辺を巡るきっかけになれば」と、観光客の増加と地域回遊への強い思いを口にしました。
新たな観光資源に
体験後には、ニジマスの塩焼き定食や自家製の山小屋カレー、山うどんといった地元の食材を使った同施設の特製ランチが提供され、参加者は豊かな自然のなかで非日常の時間を堪能しました。柳内氏も「冬の間や平日に人を呼ぶだけでなく、場所を探している人たちに施設を提供し、今後も様々なコラボレーションの拠点にしていきたい」と手応えと今後の展望を述べました。
3者の思いが交差するこの取り組みは、伊勢原の新たな観光資源として今後の広がりが期待されます。












