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犬と人がもっと自然に暮らせる茅ヶ崎へ、滝浪ファビオラさんがFAMTELL MARKETに込めた思い

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犬と人がもっと自然に暮らせる茅ヶ崎へ、滝浪ファビオラさんがFAMTELL MARKETに込めた思い

芝生の上で、子どもが一冊の絵本を開く。そのすぐ隣には、静かに寄り添う犬の姿。大人が子どもに読み聞かせるのではありません。子どもたちが、自分で選んだ絵本を犬たちに読んであげる――。そんな少し不思議で、あたたかな時間が流れるイベントが「FAMTELL MARKET(ファムテルマーケット)」です。

2026年4月に初開催されたFAMTELL MARKET。会場にはたくさんの絵本が並び、保護犬とのふれあいやマルシェ、フードなどを組み合わせ、楽しみながら犬や命について考えることのできる一日となりました。好評を受け、11月29日には第2回の開催が予定されています。このイベントを企画したのが、茅ヶ崎でローフード&ドッグギアを取り扱うお店「FUGGY(ファギー)」を営む滝浪(たきなみ)ファビオラさんです。

「知る」だけではなく、その先の暮らしまで

ファビオラさんがFAMTELLで大切にしているのは、保護犬について知ってもらうことだけではありません。

「犬を迎えたら、こんなお店に一緒に行けるんだとか、こんなことができるんだとか。その先の暮らしまで想像してもらえたらいいなと思っています」

イベントに参加する出店者には、実際に犬と暮らしている人や、保護犬を家族に迎えている人も多いといいます。犬と一緒に利用できる店を知ったり、飼い主同士で話をしたりすることも、FAMTELLの大切な役割です。犬を家族に迎えることに興味はあっても、「きちんと育てられるだろうか」「犬がいる生活ってどんなものだろう」と不安を感じる人もいるはず。

だからこそ、いきなり「譲渡」から始めるのではなく、まずは楽しい場所に遊びに来てもらう。犬と触れ合い、犬と暮らす人と出会い、その先にある生活を自然に思い描いてもらう。それが、ファビオラさんの考えるFAMTELLです。初開催の際には、たまたま会場を訪れた人が保護犬の団体と出会い、その後、数カ月にわたって話し合いを重ねた末に、一頭を家族として迎えたケースもあったそうです。

「イベントでそのまま譲渡するわけではないんです。まず団体を知ってもらって、そこから関係ができた。それだけでも、きっかけをつくれたのかなって」

「フラッと来てもらう」ことが、誰かと一頭の犬の未来につながる。FAMTELLらしさを象徴するエピソードです。

いきなり譲渡を考えて身構えるよりも、まずは気軽にフラッと遊びに来てもらいたいと話すファビオラさん。

絵本を読むのは、子どもたち

FAMTELLを特徴づけているのが、絵本です。ファビオラさんがこの形を思いつくきっかけの一つになったのは、娘さんが生まれた頃に出会った一冊の絵本でした。会場では数百冊の中から、子どもたちが好きな本を選び、犬のそばで声に出して読みます。上手に読めなくてもいい。まだ文字が読めなければ、ページをめくるだけでもいい。大切なのは、「誰かのために読んであげよう」とする気持ちなのだとファビオラさんは話します。

「大人だったら、間違えていたら直してあげることもありますよね。でも犬は、ただそばにいてくれる。誰かのために読むという気持ちや、行動すること自体が、子どもたちの一つの体験になればと思っています」

子どもが本を読み、その隣で犬が静かに耳を傾ける。そこで生まれるのは、教室で「命を大切にしましょう」と教わるのとは少し違う、言葉にならない体験なのかもしれません。

第1回の様子を見せてくれたファビオラさん。絵本を読む子供たちの楽しそうな表情が印象的です。

犬との出会いが、茅ヶ崎へ連れてきた

ファビオラさん自身の人生も、犬との出会いによって大きく変わりました。兵庫県出身。東京で暮らしていた頃に、ピットブルを家族に迎えました。しかし当時は、公園や店など、犬と一緒に行ける場所が思っていた以上に少なかったといいます。そこで犬と暮らしやすい街を探し、たどり着いたのが茅ヶ崎でした。

「最初は2年くらい住んでみよう、という感じだったんです。それがもう10年です」

大型犬を連れて歩いていても自然に受け入れてくれる人がいる。個人店が多く、人との距離も近い。そして、犬ものびのびと過ごしている。

「茅ヶ崎に来て、本当に良かったです」

そう笑うファビオラさん。愛犬との暮らしをきっかけに茅ヶ崎へ移り住み、現在はこの街で子育てをしながら、犬に関わる仕事を続けています。

犬と暮らしやすい環境を求めて茅ヶ崎へ移り住んだというファビオラさん。ペットフレンドリーな街の雰囲気が茅ヶ崎の魅力のひとつだと話します。

「関心がある人だけ」に届けない

ファビオラさんは、約7年にわたって保護犬に関わる活動を続けてきました。その中で感じてきたのが、「保護犬に関心のある人だけに届けていては、なかなか広がらない」ということでした。保護犬のためのイベントと聞くと、「犬を迎えようとしている人が行くもの」と少し身構えてしまう人もいるかもしれません。だからFAMTELLでは、絵本があり、おいしいものがあり、買い物があり、芝生の上でのんびり過ごす時間があります。

保護犬について勉強するために来なくてもいい。絵本が好きだから。子どもと遊びに来たから。おいしいものを食べたいから。散歩をしていてたまたま見つけたから。そんな入口から犬と出会い、何か一つ気づきを持ち帰ってもらえればいいとファビオラさんは考えています。前回の開催では、出店者からも「これまで出会えなかったお客さんとつながることができた」という声があったそうです。

会場全体についても、「みんなが同じ思いを共有していて、あたたかい空間だった」「ゆっくり気持ちよく過ごせた」といった反応が寄せられました。単に店が並ぶマルシェではなく、絵本と犬を中心に、そこにいる人たちが緩やかにつながっていく。ファビオラさんが目指していた空間が、少しずつ形になっています。

第1回開催時に出店した市内飲食店Frequency代表の秋元さんと。出店者にとっても実りある機会になったといいます。

FAMTELLに込めた「家族の物語」

「FAMTELL」という名前にも、その思いが表れています。「FAM」はFamily。そして「TELL」は、語ること、物語。さらに、しっぽを意味する「tail」のイメージも重ねられています。しっぽのある家族と今を暮らしている人の物語。そして、この場所での出会いから新しく始まっていく家族の物語。

「このイベントを通じて生まれる物語を、みんなでつくっていけたら」

イベントの名前そのものが、ファビオラさんが目指す場所を表しています。

第1回開催時の様子。来場者も出店者も笑顔にあふれるあたたかいイベントになったといいます。

「本当のドッグフレンドリーな街」を茅ヶ崎から

ファビオラさんが思い描いている未来は、FAMTELLというイベントだけにはとどまりません。

「茅ヶ崎はドッグフレンドリーな街と言われていますけど、本当の意味でドッグフレンドリーな街にしていきたいんです」

犬と一緒に食事ができる場所が増えること。一方で、そのためには飼い主側のマナーや犬の教育も欠かせないと考えています。犬が好きな人だけが快適な街ではなく、犬が苦手な人やアレルギーがある人も含めて、みんなが無理なく暮らせること。そのために必要なルールと、犬と暮らす人の責任の両方を考えていくことが、本当の意味での「ドッグフレンドリー」につながっていきます。そして、その先にある大きな目標が「殺処分ゼロ」です。

「まず茅ヶ崎から。それが湘南、東日本、全国へと広がっていったら」

目標は大きくても、ファビオラさんがFAMTELLでつくろうとしている入口は、とても穏やかです。芝生に座り、一冊の絵本を開く。子どもが読み、その隣に犬がいる。誰かを強く説得するのではなく、楽しい一日の中に、小さな気づきをつくっていきます。

FAMTELL MARKET

FAMTELL MARKETインスタグラム:https://www.instagram.com/famtell_market/

FUGGYインスタグラム:https://www.instagram.com/fuggy_shonan/?hl=ja

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住所

神奈川県茅ヶ崎市

公開日:2026-10-01

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