広い園庭では、いつも子どもたちの賑やかな声が響いているー。これは、ここ鶴巻で50年以上変わらない光景です。1971年に開園した秦野市にある学校法人鶴巻学園「つるまき幼稚園」は『どんな時代にも生きてゆけるおおらかな、やさしくて元気でたくましい子どもたちに育てる』を教育理念に掲げ、自ら考えて行動し、問題を発見し、その問題に柔軟に対応できること、問題の解決方法を導き出すことができる人間になることへの成長を見守り、これまで3000人以上の子どもたちを送り出してきました。
<目次>※気になる項目をクリックしてください
・「活動的」「意欲的」「自主的」
・記者が見た園内の様子
・小学校との連携
・つるまき幼稚園を選んだ理由は?
・「未就園児ひよこチーム」
・よく聞かれる質問は?
「活動的」「意欲的」「自主的」
開園以来、大切にしているのが『人間としての基礎をしっかり身に付ける』『幸せな生き方を身に付ける』の教育方針のもとで「活動的」「意欲的」「自主的」な子どもを育む一貫した幼児教育。
「人としての基本の挨拶『おはよう』『こんにちは』『さようなら』『ありがとう』や、相手の話しを聞くなど幼児期に身に付けるべきことをしっかりと養います」と原あづさ園長は話す。
また、「現代は、いろいろな価値観や情勢の変化が激しい時代です、今の子どもたちが大人になる頃は『生きる力』『自ら新しいことに挑戦する力』が求められます。園の教育方針を柱に、子どもたちには、『活動的』『意欲的』『自主的』に多くの事に取り組むことで、自己肯定感を高め『生きる力』『自ら新しいことに挑戦する力』につなげていき、幸せに生きてほしいと心から願っています」とも語ってくれました。
つるまき幼稚園の特色
- アットホームな雰囲気のなかでの保育
- 広い園庭を活かした遊びや保育カリキュラム
- 自然豊かな環境を活かした保育
- 挨拶や自分の席で話を聞けることの徹底(お行儀・集中力を身に付ける)
記者が見た園の様子
「つるまき幼稚園」を訪問したときに一番印象的だったのが、子どもたちと先生たちの溢れんばかりの笑顔、とにかく全員が明るい。そして広い園庭を縦横無尽に駆け回る元気な子どもたち。「仲間に入れて」「いいよ」、「手伝って」「いいよ」という子どもたちの会話があちこちで聞こえます。転んでしまった子どものところに「大丈夫?」と何人かが駆け寄る。そんな光景を見て、同園が掲げる幼児教育が確実に身についていると感じました。
同園の子どもたちの大半が園バスでの通園ということもあり、異年齢の子ども同士の関わりも多いという。年長の子どもは年少の子どもに優しく接することを身に付け、年少の子どもはかっこいいお兄さんお姉さんを見て育つ。また園バスには先生方が交代で乗車するため、同園の先生は自分のクラスに限らず全園児の顔と名前を覚えているといいます。園児もすべての先生と関わることとなり、結果的にいろいろな目で子どもたちを見守るアットホームな雰囲気につながっているのが見てとれました。
小学校との連携
今、幼稚園や小学校では子どもたちの幼小の滑らかな接続が課題となっています。幼稚園や保育園での子どもの姿と小学校就学時に求められる姿とのギャップは大きく、このギャップについていけない子どももいるといいます。
「つるまき幼稚園」では、年長の1年間でそのギャップを埋めるための保育活動を実施しています。3年間を通して人としての基礎を築くことで、集団生活にも慣れます。さらに最後の1年間で、家庭にも協力いただいて小学校就学に必要なことを身に付けることができます。
文字については、単純に覚えるのではなく、文字に対する理解を深め、自分の気持ちを文字で表現する喜びを感じ、文字や言葉の面白さが分かるように指導しています。また、数字の概念や簡単な計算については、「 春の玉ネギ掘り」、「夏のきぬさや採り」、「秋の芋掘り」、「冬のみかん狩り」を通じて楽しく学び、身に付くよう指導しています。これらを通して、学ぶ楽しさを覚え、自分の考えを持ち自分で行動する、最後まであきらめずに行動することを身に付けることができるのです。
また、小学校就学に対する子どもの不安や戸惑いを取り除くために、小学校主催の交流会や小学1年生からのメッセージボードをいただくなど、小学校と連携した企画も実施されています。就学後も必要に応じて子どもたちをフォローするなどの活動を行い、責任を持って一人一人を最善の道に導くという信念を貫いています。
つるまき幼稚園を選んだ理由は?
市立幼稚園など、秦野市内には数ある幼稚園がある中、なぜ「つるまき幼稚園」を選んだのか、そのポイントを園にお子さんを通わせている、父母会の山口明日香さん、飯田圭位子さん、植田佳奈江さんに聞いてみました。
Q1.一番の決め手はどんなところでしたか?
A1.(飯田さん)「入園前に見学に来た時、先生たちが園の子どもたちみんなの名前を知っているのがわかり、みんなで子どもたちを育ててくれている感じが伝ってきました」。
(山口さん)「3年間通わせることができるから。公立の幼稚園だと2年なので」。
(植田さん)「バス通園できるのが大きな決め手でしたね」。
Q2.園に通ってからのお子さんの様子はいかがですか?
A2.(山口さん)「上の子は、園で先生のお手伝いや年下の子どものお世話をした際、『ありがとう』と言われたことがうれしかったようです。家でも『ママのおてつだいしようか』って言ってくれたりして。抱っこばかりだった下の子は入園してすぐにたくさん歩くようになりました」。
(飯田さん)「年少組の頃はバスに乗る時に泣いてばかりだったのに、今では休みの日まで幼稚園に行きたいって言ってますね」。
(植田さん)「入園直後はたどたどしい話し方だったのですが、まわりのお友達と仲良くなるとおしゃべりが上手になり、成長を感じました」。
Q3.園での一番印象に残る行事やイベントは
A3.(山口さん、飯田さん、植田さん)「玉ねぎ掘りや栗ひろいなどの収穫体験、お餅つきなど普段、家庭できないことができるのはとてもよい経験になりますね。それと何より運動会。裸足になって元気な掛け声で行う年長さんの組立体操は、子どもたちが頑張って練習してきたのがよく伝わります。特に〝つるまきタワー〟には本当に感動しました」
「未就園児ひよこチーム」
地域子育て支援活動の一環として、未就園児とその保護者を対象に、園庭の開放や製作遊びなどを行っているのが「未就園児ひよこチーム」。親子で一緒に遊んだり、園児の様子を見学したり、子どもや保護者の交流の場になっています。
実施日は基本的には月曜日と金曜日で参加費は無料。対象年齢は問いません。実施時間は午前10時30分~11時30分。「園庭開放の日」は申し込み不要(雨天中止)、また「つくって遊ぼうの日」は事前に園にお電話で申し込みを(天候不問・先着順)。〝ママ友〟づくりのきっかけにもなるので、気軽に参加してみては。
よく聞かれる質問は?
Q1.幼稚園バスはありますか?
A1.きいろ・ピンク・みどりの3台のバスが、6つのコースを巡っています。また、バス到着時刻をお知らせする「れんらくアプリ」も導入しています。
Q2.給食は実施していますか?
A2.週3回食べるコース、週5回食べるコースがあります。週3回コースは月・木・金曜日が給食、火・水曜日がお弁当です。
Q3.預かり保育について教えてください
A3.仕事をお持ちのパパ・ママの育児支援として、「園の教育時間開始前の午前8時30分~9時」と「保育終了後~午後6時」に実施しています。朝30分100円、保育終了後30分100円です。預かり保育の場合は、個別にバスの送迎はしておらず、お迎えをお願いしています。
Q4.英語教室もあると聞いたのですが?
A4.毎週火曜日にネイティブの外国人教師がアルファベットや簡単な日常会話、英語の歌などを楽しく遊びながら教えてくれます。聴力が発達する幼児期に本物に触れる、よい機会になります。令和6年度からは課外での英語教室も開設予定です。