2019年4月より小麦は秦野優良農産物に認証されました
秦野市の小麦は年間20トンの生産量を誇り、県内一の「麦どころ」としても知られています。この小麦を使ったメニューを積極的に取り扱い、秦野産小麦の魅力を広げようという農商連携の取り組みが広がっています。
秦野市では平成28年に「秦野小麦出荷組合」という組織が設立しました。小泉さんは組合長を務めていらっしゃいます。
小泉 秦野では昔から小麦が栽培されていましたが、農家ごとに異なる品種を作っていて売り先もばらばらでした。 そこで、農協さんの協力をいただきながら組合を設立し、 品種も「ゆめかおり」に統一して農家同士が一緒に勉強しながら生産性の向上をに努めています。
ゆめかおりにはどのような特長があるのでしょう。
小泉 他の小麦と違い肥料を1回多く与えるひと手間をかけていて、パンづくりに適したグルテンを多く含む小麦 が育つんです。
秋保 秦野産小麦はベーグルやカンパーニュ、バゲットなど、小麦の風味を楽しんでもらえるプレーンなパンづくりには欠かせません。
吉田 うちでは、シュークリームの皮やドーナツ、クッキーなどに使っています。僕らお菓子屋さんの世界ではフ ルーツなど旬の食材に注目しがちで、粉はあくまでも副食材。でも、シュークリームは皮の食感や風味も大切ですし、 お店で一番売れる看板商品でもあります。そこに秦野産小麦を使うことは、小麦農家さんへの誠意につながるんじゃないかと思うんです。
宅見 僕は昔から「はだのじばさんず」で秦野の小麦を購入していて、イタリアのデュラムセモリナ粉と配合した手 打ちのロングパスタを作っています。小麦粉だけで作るニョケッティなどのショートパスタは、100%秦野産小麦 です。お客さんからは「おそばのような風味ですね」と驚かれます。
一堂 あぁ、なるほど。
吉田 秦野の原麦(げんばく)は皮がやわらかいから、普通の小麦と違って表皮などの部分まで一緒にひけるんで すよね。だから、色も真っ白じゃなくて少し黒みがかった色をしている。
宅見 それが独特な風味につながっているんでしょうね。
秦野産小麦の認知度が広がることで、地域の活性化に もつながりそうです。
秋保 吉田君のお菓子でも宅見君のパスタでも、うちのパンでもいいので「秦野に来ればおいしいものが食べられ る」という目的を持った人が、1人でも多く秦野へ遊びに 来てくれたらうれしいです。
宅見 「うちも秦野の小麦を使ってみたい」という飲食店 も増えてほしいですね。
吉田 そのためにも、まずは僕らが自分たちのお客さんの満足度を高めて、秦野の小麦に対する信頼感を高めていく ことが大切。そしていつかは、「はだのブランド」に認証されるような商品づくりにもチャレンジして、PRができれば最高ですね。
小泉 僕らが生産した小麦を通して、こうやって農商連携の形で地元を盛り上げていこうという輪が広がりつつあ るのは本当に素晴らしいこと。秦野産小麦を使った料理教室など、今後は一般の人にも魅力を広げていけるような活 動に取り組んでいきたいと思います。
吉田 お客さんにおいしいものを提供して幸福な時間を与える。それを地元の農家さんと一緒にできるのは、僕ら のような個人店ならでは。お客さんに「うちで使っている小麦は、近所のあそこの畑で取れたものだよ」って胸を 張って説明できる、そんな小麦にみんなで育てていきたいですね。
「広がれ、秦野産小麦の輪」動画メッセージ
座談会参加メンバーの皆さんが、秦野小麦にかける思いを動画メッセージで紹介します。
秦野市が認証している「秦野優良農産物」とサポーター店一覧
秦野産小麦を使ったメニュー
今回の座談会に参加しているお店の中から秦野小麦を使ったスイーツやパン、パスタを紹介します。
- パティスリークラベリーナ
食感の良いシュー皮づくりに、秦野の小麦が一役買っています。
- パンのくま小屋
噛みしめるほど小麦の甘みが広がります。
- トラトリアフーコ
秦野産小麦の豊かな風味をあますことなく活かしました。