鎌倉文学館で4月20日(土)から、春の特別展「三島由紀夫『豊饒の海』のススメ」が開催されている。三島にとって最後の長編大作となった「豊饒の海」シリーズの第1作『春の雪』の刊行からちょうど50年の節目に、貴重な直筆原稿などを展示。また期間中は様々な関連イベントも予定されている。
同シリーズは、『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の4作からなる長編小説。輪廻転生や仏教の唯識思想などを扱った壮大な構成や多様な解釈が可能な文章表現、そして最終巻を書き上げた直後に三島自身が衝撃的な死を遂げたことなども相まって、いまだに多くの専門家、文学ファンが活発な議論を交わしている。
三島の作品世界をたどる
会場では各シリーズの直筆原稿や創作ノートが展示され、作品の世界をたどることができる。
また華族の若い男女の悲恋を描き、映画化もされた『春の雪』に登場する松枝侯爵家の別荘は、鎌倉文学館がモデルとなっている。同館の榎本雅子さんは「現在とは異なっている部分もあるが、作中には建物に関する描写もある。物語の世界を想像しながら展示を見てもらえたら」と話す。
「『豊饒の海』がわからない」と題した講演会
同展の監修も務めた佐藤秀明さん(近畿大学教授)による「『豊饒の海』がわからない」と題した講演会が開催される。
6月15日(土)14時~15時30分
鎌倉商工会議所地下ホール
※会場は鎌倉文学館ではありません
応募方法はこちら
定員は150人。希望者ははがき、メール、ファクスでイベント名、住所、氏名、電話番号、参加人数(2人まで)を明記し、下記へ申し込みを。6月3日(月)必着。詳細は同館0467-23-3911へ。
〒248-0016 鎌倉市長谷1-5-3event2019@kamakura-arts.or.jpFAX:0467-23-5952