道端に転がっている誰かの落とし物。想像力をたくましくすれば、様々なストーリーが思い浮かんでくる─。
根岸町にある喫茶店「衝動の秘密基地」で10月5日(土)から「人生の小さな落とし物写真展」が始まる。元小学校校長で西浦賀在住の細野裕さんが撮り溜めてきた写真を喫茶店の壁一面に貼り出す。ぬいぐるみにサングラス、片方だけの手袋や靴下、食べかけの串団子もある。細野さんは「なぜこの場所に」といった視点で対象物と街の景色を切り取ってきた。じっと眺めているとおかしみとともに持ち主の人生模様が浮かび上がってくるという。
「雨降る路上に置いてきぼりにされた鉄火巻。何かの怒りにかられた持ち主が投げ捨てて去っていったのか、はては自宅でパックを広げて一つ足りないことを嘆いているのか」。先入観なく作品を眺めて欲しいと、あえてタイトルや解説は添えていない。写真を見た人が物語を広げて欲しいと細野さんは話している。
期間は同月9日(水)まで。営業時間等の問い合わせは同店【携帯電話】090・2441・6450