これまで友人たちとの交流を深めるためにお世話になってきた飲食店が、新型コロナウイルスの影響で苦境に――。
そんな商店街の状況を肌で感じた慶大生3人が今、ボランティアで日吉の街のテイクアウト情報をSNS(ツイッター・インスタグラム)で発信している。
「ひようら君プロジェクト」
チーム名は「ひようら君プロジェクト」。慶應義塾大学法学部4年の成瀬賢伸さん、経済学部4年の武正(たけまさ)隼さん、同大大学院理工学研究科1年峯村開さんが4月末から「ひようら君@日吉商店街」のアカウントをつくり、毎日、日吉の飲食店のテイクアウト情報を更新している。
3人は同じダンスサークル出身。きっかけは成瀬さんが4月に久しぶりに散髪のため近所に外出した際、テイクアウトを始めた飲食店が多いことに驚いたこと。その後、3人でのオンライン飲み会で「今までお世話になってきた場所への恩返しの意味でも、お店とお客をつなげることをやらないか」と提案。
お店を1件ずつ直接確認
4月末からツイッターを立ち上げ、5月にはインスタグラムも開設した。ネット上の情報だけではテイクアウトの有無が不明な場合が多く、皆で分担し一件一件、直接確認。その後、電話で趣旨を説明して来店し、写真撮影や取材などを行ったという。
取材中に飲食店側から上がった「紙の情報もあった方が」との要望から作成したパンフレットは、日吉商店街が主宰した駅前のテイクアウトブースで配布した。武正さんは「サークル後に友人との仲を深めたのが日吉の街。大切な場所の役に立てれば」、成瀬さんは「就活も並行中だが、この活動も今でなければ意味のないこと」と話し、峯村さんは「テイクアウトを休止し、店内営業に切り替えるなどの情報も更新していけたら」と今後の方向性も見据えた。