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<B-grotto(ビーグロット) 石井幸男さん・理恵さんの茅ヶ崎暮らし>お客様に支えられて。雄三通りで愛されるパン屋さん

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<B-grotto(ビーグロット) 石井幸男さん・理恵さんの茅ヶ崎暮らし>お客様に支えられて。雄三通りで愛されるパン屋さん

茅ヶ崎市下町屋在住 石井 幸男(いしい・ゆきお)さん・理恵(りえ)さん
夫婦ともに東京都立川市出身。波乗りが趣味の夫が茅ヶ崎に住み、近隣のベーカリーで仕事をしていた縁で茅ヶ崎市へ。大学3年の長女、大学1年の長男、中3の次男の5人家族。雄三通りでベーカリー「B-grotto(ビーグロット)」を営む。おふたりは高校の同級生!

一番人気はレーズンとクリームチーズ! パン選びに悩むシアワセが味わえる

外階段を降りて地下1階。大きなガラス窓から柔らかな光が注ぐ店内には、中央にあるアイランド型のテーブルを中心に、平日から約80種類のパンが並ぶ。お客さんはみな、トレイとトングを持ち、中央のテーブルを囲む。「これ美味しそう!」「みんな買いたいなぁ」。ひとりごとを言いながら、テーブルの周りをぐるぐる回る(笑) 

人気NO.1のレーズンとクリームチーズ、NO.2のカレーパン、ほかにもジンジャーオレンジの食パン、黒こしょうとチーズの食パン…。お客さんはみな、うれしそうに悩みながら、買っていく。

売り場と厨房の仕切りをガラス戸にしてあるのは、パンを作る姿を見てほしいとの思いもあるが、厨房奥でパンを作る幸男さんが、パンを選ぶお客様の様子が見たいから。

「迷ってくれてうれしいです。パンを選ぶことを楽しんでくれて」と顔をほころばせる。妻の理恵さんは、「夫は作りたがり」と笑う。たしかに幸男さん、本当に楽しそうにリズミカルに次々とパンを作る。

茅ケ崎駅南口から海へ真っすぐ伸びる道を徒歩5分、雄三通りのベーカリー「B-grotto(ビーグロット)」を夫婦で営んで8年。夫婦が生まれ育った立川のパン屋で働いていた幸男さんの趣味は波乗り(ボディボード)で、茅ヶ崎に縁があった。葉山の「ボンジュール」、神戸の「コム・シノワ」で研鑽を積み、ここ茅ヶ崎に自分たちの店を持った。

普段、幸男さんは午後7時半に就寝し、深夜1時半には起床してパン作りを始める。土日祝日にはさらに多くのパンを作るので、起床は前日の午後11時半。家のことをする理恵さんの起床は朝5時前。就寝時間も異なり、すれ違いも多い、忙しい日々。子どもが小さなころは近くの海にお弁当を持って出かけたり、足を延ばして「ズーラシア」、「野毛山動物園」に出かけたりしたが、いまはベーカリーに注力する毎日だ。

子連れママの孤独のさみしさを知っているから

理恵さんもパートさんも、とにかくお客さんに声をかける。「気持ちよく帰ってほしいし、来てよかったなと思ってほしいんです。私たちの想いがあふれすぎて、うっとうしいかもしれないですけど(笑)。レジを打っていても、本当はフロアに出て全員に声をかけたい。地下まで階段を降りてきてくれて、パンを買いに来てくださって、本当にありがとうございます!と一人一人に伝えたいんです。」

特に小さいお子さんがいると、“超かわい~っ!”…と、声もアクションも大きくなる(笑)。
それには理由がある。

神戸で暮らしていた頃、幸男さんはベーカリーに朝3時に出かけ、深夜に帰宅する日々。当時、長女が1歳4か月、長男が3か月とまだ幼かったが、理恵さんには神戸に知人もいない。

「孤独な子育てがつらかった。だから一人で子育てをするママの気持ちが痛いほどわかるんです。お店にきてくれたお子さん連れのママにはつい、たくさん声をかけちゃいます。

小さい子どもを連れてよく通ってくれるママが、「(声をかけてくれて)救われた」と伝えてくれたそうだ。しみじみ、うれしそうに語る。

お客様の声がけに、泣きそうになりながら。

開店当初のお客が少ないときから、「ここのパンはいい」と、ずっと通ってくれる常連さんもいる。「いつもおいしいパンをありがとう」、そんな素敵な言葉をサラッと言ってくれる人もいる。「もう、泣けちゃいます。こちらこそ、ありがとうなのに!」そう語る理恵さん、話しながら半泣き。

「茅ヶ崎の方は、みなさん温かいです。気候も暖かいですし、個人商店もいっぱいあるのもいいですね。このまちが好きで、一度まちを出てまた戻ってくる人もいます。子どもたちもすごくここを気に入っています。」

「B-grotto」は雄三通りを中心に茅ヶ崎の人たちを紹介するローカルインタビューメディア「エキウミ」でも取り上げられているので、そちらもぜひご覧いただきたい。

なにもかもがちょうどいいまち

最後に、厨房で忙しくパンを作り続ける幸男さんに少し話が聞けた。「毎日パンをたくさん作りますが、お客様は一つずつ買ってくださいます。だから、一つ一つを丁寧にと心がけて作っています。」

パンを買いに来てくれるみなさまには感謝しかない。お店の扉が開くと、厨房の奥から「いらっしゃいませ~!」と声を張って挨拶をする。その声は愛にあふれている。

リラックスできて、自然体でいられる茅ヶ崎が好きだという。「人当たりもそうです。相手のことをよく見ているなと感じます。近づくときは近づくし、離れるときはそうする。なにもかもがちょうどいいまちです。」

Information:
B-grotto(ビーグロット)
茅ヶ崎市東海岸北1-5-4 B1 AM6:30〜PM6:00
Instagram https://www.instagram.com/b_grotto/?hl=ja

エキウミより B-grotto
https://www.ekiumi.com/posts/3801846
https://www.ekiumi.com/posts/3923497

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公開日:2021-04-01

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