「毎日食べたい町中華」こと、横須賀の上海亭。今回は横須賀中央店から足を延ばし、京急線・県立大学駅から徒歩5分、聖徳寺坂の下にある安浦本店へ訪問。こだわりの〝自社製〟について、陳寛明さんの許可を得て潜入取材しました。
大事なのは〝お休み〟
まず上海亭で毎日食べられている麺、点心類の皮は全て自社製造。特にファンの多いラーメンやオリジナル焼きそば「両面焼き」などの麺は全て「二段階熟成自家製細麺」と呼ばれ、人気を下支えしています。
![これぞ王道、ラーメンも自家製細麺](https://rarea.events/rarea/wp-content/uploads/2021/04/IMG_0555-920x690.jpg)
これぞ王道、ラーメンも自家製細麺
製造工程はまず独自配合の小麦粉と水を混ぜ合わせ、板状の麺帯を作って〝お休み〟させます。その後、細麺に切り出して冷暗所で2 ~ 3日低温で再び〝お休み〟させます。この〝お休み〟期間を設けることで小麦粉と水がよく練り合わさり熟成し、生地に含まれる空気が抜けて細くてもしっかりとコシのある、あの独特な触感を生み出す麺に仕上がるそうです。
先見の明を持った老舗
自社製造を取り入れることで他店と味を差別化できるだけでなく、卸業者などの流通コストが抑えられるため、お客さんへ料理を安く提供でき、お客さん目線では良いことずくめ。しかし大手中華料理チェーン店では一般的ですが、規模の大きくない個人経営店では難しく、導入できるお店は限られているようです。
主な理由は製造機械などの設備投資にかかるコスト回収に時間がかかることや手間暇、人件費など。
![40年来の〝同期〟という製麺機と向き合う2代目店主の陳さん](https://rarea.events/rarea/wp-content/uploads/2021/04/IMG_2046-920x1227.jpg)
40年来の〝同期〟という製麺機と向き合う陳さん
一方上海亭では陳さんと〝同じ年〟という機械が40年経った今でも現役で稼働。時には親子三代で餃子包みもするなど、長年手作りの良さとコスト削減を両立。安浦市民の食卓として美味しさと低価格を維持し続けられているようです。先代ご主人に先見の明があったおかげですね。
![餃子を包むのは一つひとつ手作業で](https://rarea.events/rarea/wp-content/uploads/2021/04/13950029148717-920x435.jpg)
餃子を包むのは一つひとつ手作業で(新型コロナ感染症拡大前の様子です)
ご自宅にも〝上海亭をテイクアウト〟
スープ類を除く麺類、米飯類、中華総菜、点心などはテイクアウト可能。自慢の「タレのいらない餃子」やプルプルもちもち触感がやみつきの「水餃子」は冷凍状態でも購入できます。
![〝もちもち〟触感の皮と肉汁たっぷりの焼き餃子](https://rarea.events/rarea/wp-content/uploads/2021/04/IMG_0373.jpg)
〝もちもち〟触感の皮と肉汁たっぷりの焼き餃子
- コロナ禍を機に陳さんの発案で、保存がきくレトルト加工した商品販売を現在開発中。今年中に開始を予定しているそうです。ほっとする味と「毎日でも来れる値段に」という心意気だけでなく、先見の明も引き継がれているようです。
最後に一杯(ズズッ)………嗚呼、要は美味い。