「土橋ウォーク」の発起人として準備を進める
「カイゼン」を町内会に
○…土橋町内会の会長補佐。新型コロナの影響で、恒例の盆踊り大会と親子運動会を断念せざるを得なかった。「まるでゴーストタウン。外出自粛が明けても、かつてのような活気が戻らないのが残念で仕方ない」と14日から始まる代替企画を発案した。「3密にならない」「誰でも気軽に参加できる」「ゲーム感覚を取り入れる」の要素を取り入れた、町内にある掲示板を巡るクイズラリー形式のイベントだ。「掲示板の存在を知ってもらう機会になれば。17カ所すべて回って土橋の魅力を再認識してほしい」と思いを馳せる。
○…東京都世田谷区で製造業を営む家庭に生まれた。「父はアイデアマンだった。一般人とは目の付け所が違った」と回顧。その背中を見て育ったため、一時はエンジニアを目指したが、進学した慶応大では日本経済史の研究に励んだ。大手メーカーに就職し、長く総務畑を歩んだ。会社員時代に求められたのは業務の効率化。「株主総会の準備や適材適所の人事配置など、町内会でも役立つ経験をしてきた」。5年前に町内会役員となってからは、小さな「カイゼン」を続けてきた。蛙の子は蛙。コロナ禍を「改革のチャンス」と前向きに捉える。
○…「土橋には日本の古き良き人情が残っている」。約40年前に移住してきたころには感じなかった郷土愛。町内会活動を通じてわいてきた感情だ。「一歩踏み出せばきっとわかる」とイベントへの参加を呼び掛ける。活動の原動力は「大丈夫」という根拠のない自信。「肯定することで救われることもある」と笑う。現在は発信にとどまる町内会活動。「頼りにされるような本来の姿を取り戻したい」。新しい形のコミュニケーションの実現に向けて「カイゼン」は続く。