「一家の足跡、後世へ残す」~三浦市在住、日下部順治さん

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「一家の足跡、後世へ残す」~三浦市在住、日下部順治さん
編纂に携わった品川さん、日下部さん、佐藤さん(左から)

神奈川県三浦市三崎町在住の日下部順治さん(87)が、戦国時代に飛騨を治めていた武将・三木自綱(姉小路頼綱)の弟を祖とする家系史を編纂しました。

日下部さんの祖先は織田信長の家臣・金森長近の下で、松倉城(岐阜県高山市)とその近隣地域の統治に協力した人物。仕え先を三木家から金森家とした後に帰農。以降400年以上に渡って飛騨の地に根付き、代々大切にしてきた5千坪もの広大な敷地と屋敷は名家として地元民から一目置かれる存在でした。

日下部さんは名古屋で生まれ育った後、仕事を理由に転々。定年後に居を横浜市に構え、本家である飛騨地方の山奥にある屋敷を月に1、2度のペースで訪れて管理を続けてきたそうです。しかし安政六(1859)年に建てられたその屋敷は老朽化が激しく、日下部さんも年齢的に管理が難しくなってきたことから、2005年に屋敷を閉じました。その際に曽祖父の時代から撮りためてきたと思われる写真が詰められた桐箱を発見。「何らかの形で後世に残すべきもの」と感じた日下部さんは付き合いのある地元の文具店・品川文化堂の店主、品川哲朗さんへ相談。書籍として残すことを勧められ、共同で編纂に携わりました。

「望郷の記録―セピア色の写真に視る明治の面影―」と題し、日下部さんの言葉と多くの写真とともに、表紙と裏表紙には日下部さんの発案で、家屋周辺の風景写真を元にした挿絵を掲載。作者は三浦半島スケッチ会で代表を務める佐藤陽さん。ペン水彩画の淡い色使いで、切なさとなつかしさを感じさせます。

日下部さんは「こうしてまとめられたのは品川さんのご一家や佐藤さんをはじめ、編纂にご協力いただいた方々のおかげ。稚拙な文章ではありますが、故郷の方など読んだ方の感想を聞いてみたいです」と話していました。

本は横須賀市大滝町にある「品川文化堂」で閲覧可能。℡046-823-1848

住所

神奈川県三浦市三崎町

公開日:2021-09-02

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