まぐろで有名な三浦市三崎。ここに週2日だけ、ランチのみ営業する洋食カフェがあります。まだオープンから約10カ月にもかかわらず、「肉料理が食べたい!」という地元客の胃袋を掴んで離さないのだそう。
しかし、店があるのは「みうら暮らしの入口」として民間で、移住・創業・空き家・暮らしなどの相談を受け支援する合同会社MISAKI STAYLEの拠点「あるべ」。聞けば、20代の若き店主は「自分の店を開くため、トライアルキッチンで目下腕磨き中」なのだとか…。
トライアルキッチンって何だ?
トライアルキッチンとは、いわゆる厨房設備のあるレンタルスペースのこと。
お店を始めたい人が時間帯単位で間借りして、短期間から営業できるので「飲食店を始めたいけれど資金がない、腕試しをしたい」という人におすすめのシステムです。創作和食や洋食、エスニック、ピザ屋など「あるべ」ではこれまで多くの人が挑戦し、利用者の中には三浦で独立した人もいます。これなら飲食店開業のハードルが下がりそうですね。
三浦野菜とまごころたっぷりランチ
そんなトライアルキッチンで、2020年11月から毎週火・水曜のランチのみ営業しているのが、「ねこやなぎ」。看板メニューの煮込みハンバーグがおいしいと聞き、これは食べねばと向かいました。
店主のはるかさんが笑顔で出迎えてくれたのも束の間、まだ11時半だと言うのに店内は常連さんで満席に(感染症対策実施中)。これは期待が高まります!!
大きめのハンバーグは食べごたえ満点。ふわふわで、相性抜群のトマトソースとよく絡んで白いご飯がもりもり進みます。
はるかさんのこだわりは、つけあわせにも光ります。使用する野菜の多くは三浦産。近くの産直センター「うらりマルシェ」などで仕入れたり、地元の方からおすそわけをもらったり。この日はキャベツのサラダ、なすの煮びたし、ピーマンともやすのナムル、きゅうりとパプリカの梅酢の4種。手に入る食材で変わるつけあわせも楽しみのひとつです。
メニューには「こんな世の中ですが、おいしいものを食べて少しでもしあわせになりましょう!」と手書きのメッセージが。栄養だけでなく、まごころもたっぷりです。
「いつか自分の店を持ちたい」と奮闘するはるかさん。トライアルキッチンの利点を「とりあえずやってみる。まわりの人に育ててもらいながら、この10カ月で成長できたと思う」と話します。1日1日の営業が、夢実現のための積み重ねになっているようです。ちなみに、厚さ約1cmのポークジンジャー定食やスイーツもあるようなので、これは通って制覇しなければ…。
- ねこやなぎ
- 営業日 毎週火曜・水曜、午前11時~午後3時(数に限りあり)
※新型コロナ対策で入店制限や営業日の変更の可能性あり。なお、9月10日現在、緊急事態宣言発令中のため、観光目的のご来店はご遠慮くださいとのこと。詳細はインスタグラム「ねこやなぎ」で。