「商店街」と言えば、古くは個人商店が軒を連ねるイメージだが、現在の久里浜では他にない唯一無二の存在がある。障害児の母親で立ち上げた(一社)sukasuka︱ippoだ。
5年前の発足当初は障害児を育てる上で生じる不安や悩みの解消を目的に、必要な情報の収集や発信、共有をWeb上で開始した。その後、居場所や保護者の仕事の場づくりを視野に事業化するため法人化。商店街を拠点に学童、一時預かり保育事業所、障害児者にも対応する美容室を空き店舗を活用して展開している。スキルがありながらも子育てで就労が難しい保護者の働く機会創出としてテレワーク事業も拡大を続けている。
ではなぜ同法人が拠点にここを選んだのか。それは代表理事・五本木愛さんの地元は久里浜で、商店街の賑やかさに陰りを感じたからだ。「街が賑やかになるだけでなく子どもたちの成長にも良い影響があるのでは」。今では放課後になると子どもたちの声が商店街で弾み、商店主から温かく見守られている。「いっそのこと『福祉商店街』にするか」という商店会員もいるとか。
- 「一緒に過ごすことで本人や社会全体にとって、障害児者の存在が当たり前になっていけば」。商店街に新たな役割が生まれた。