- 高齢者介護事業のパイオニア的存在ともいえるシルバービレッジの会長・石井征ニさんを紹介します。
生まれは東京都世田谷区。終戦は3歳の頃。幼少期から少年期にかけては日本が戦後復興していく最中でもありました。
アナウンサーを目指して
東京経済大学(かつての大倉高等商業学校)に進学。「子どもの頃から喋るのが好きでね。よく野球の架空の実況をして友達に披露していたんだよ」。アナウンサーを目指して、フジテレビの最終面接まで進んだものの、ワンダーフォーゲル部で知り合った医師の先輩から「病院を作るから来てほしい」と頼まれて医療事務の世界へ。そこから5年ほどで理事として病院の経営に携わるようになり、大いに人脈が広がったそうです。
まだ少数だった有料老人ホームを設立
その頃から「いずれ高齢化が深刻になり、お年寄りのケアに民間の参入が必要になる」と感じていました。1985年に会社を設立し、その第一棟として翌年にシルバービレッジ八王子を立ち上げました。当時は有料老人ホームは全国でも50軒ほど。八王子市内では2番目だったそうです。
目指すは「ゆったりと安心の毎日」
当時はまだ、自宅以外の場所で過ごすことに抵抗のある人も。そこで、できるだけ寛げる場所を目指しました。そのために重視したのが「接遇」です。施設に一歩足を踏み入れれば感じられることですが、職員の対応が非常に丁寧です。年に2回、外部講師を招いての研修も行って、職員のスキルアップをしています。
- 一例として現在、社長を務める土屋定彦氏も、一流ホテルに勤務していた経験があります。
入居率は、業界でもトップクラス。その裏側にあるのは、介護施設のイメージを超える「接遇」にあると言えそうです。「世の中では『企業は人』と言われるけど、それは本当。まさに『人は石垣、人は城』だよ」。人材教育こそが、36年以上安定して経営が続いてきた秘訣だそうです。
現在、八王子市と日野市に2施設ずつの有料老人ホームがあるほか、居宅介護支援事業所、訪問介護事務所も展開しています。
地域貢献活動
奉仕団体「東京八王子陵東ライオンズクラブ」など、地域貢献活動にも積極的です。