歩車分離の街づくりが進められた多摩ニュータウン。その一角、京王堀之内エリアには、趣向を凝らした遊歩道がある。散策がてら、のんびり歩いてみてほしい。
アートな散策路
京王堀之内駅前のシンボルといえば、モザイクタイルでできたユニークな歩行者通路だろう。オブジェが並びアートな空間となっている。「四季の路公園」=写真【1】=と名付けられた長池地区と駅前を結ぶ”道”として、1990年に新都市センター開発株式会社が設置した。
完成当時に制作されたパンフレットによると、丘陵地帯に広がるこの地域の地形が、中部イタリア地方のロマーニャやトスカーナなどの地形と似ていることからイタリア諸都市をイメージしたものだという。「道」に設置されるオブジェは、イタリアを中心に、国内外の作家が手掛けている。
水路に沿って
京王堀之内駅から徒歩3分。歩車分離の街づくりが進められた多摩ニュータウンエリアでは、遊歩道が充実している。中でも、長池公園から京王堀之内駅付近までをつなぐ「せせらぎ緑道」は一際趣向が凝らされている。
計画的に整備された水路に沿った歩道の全長は約1・4キロメートル。里山や渓流を想像させる場所、タイルを用いた近代的な遊歩道が続く。
駅から向かうとまず住宅街に入る。せせらぎと住宅地が一体となった美しい遊歩道に=写真【2】。長池見附橋のミニ版のようなレンガの橋があるのも楽しい。
住宅街を抜けると、せせらぎの人工水路と幹線道路が立体交差する「せせらぎ橋」に。歩道橋にも水路を通すこだわりぶり。ここまで作り込む歩道もなかなかないのでは=写真【3】。
歩道橋を越えると、自然を感じるせせらぎの歩道に。コナラやツツジ、梅雨時期は紫陽花、夏は木陰、秋は紅葉と季節の変化を楽しめる。途中にある「お月見公園」は、遊歩道と一体となった作りに。開けた視界が心地よい。
長池公園のシンボル、長池見附橋=写真【4】がゴール。このエリアならではの遊歩道。散策にぜひお勧めしたい。