茅ヶ崎市旭が丘在住で、絵本作家・イラストレーターとして活躍するあずみ虫さん(46・ペンネーム)がイラストを手掛けた新作『わたしがテピンギー』(中脇初枝・再話、偕成社、税込1,870円)が、2月に発売されました。
同作品では、ハイチの昔話が、現代的に分かりやすく書き直されました。主人公の女の子・テピンギーが、知らない男性の召使いにされそうになりますが、自身のひらめきと友達の力で困難を乗り越えるストーリーです。
あずみ虫さんは、「テピンギーは危機を痛快に乗り越える楽しい女の子。読者が何か困難にぶつかっても『乗り越えられる』とパワーを感じてほしい」と語ります。
ハイチの服装や生活品、森林の資料を研究
「ハイチの世界観を表してほしい」という、文章を手掛けた中脇さんの依頼のもと、あずみ虫さんは現地の服装や生活用品、森林の資料などを読みあさったそうです。
また、実際にハイチの人に見てもらうなど努力を重ね、作品では、身体の細かな部分や緑豊かな様子が描かれました。あずみ虫さんは、下書き無しのフリーハンドで、アルミ板を切り取り、その上に彩色する技法が特長です。それによって、テピンギーらキャラクターが立体的に表現され、現地の子どもたちの躍動感が伝わる作品となっています。製作期間は3〜4カ月かかりました。
あずみ虫さんは、「日本の子どもにハイチってこんな国なんだ、と伝えられたら」とほほ笑みます。
鶴嶺高校卒業後、絵本を学べる専門学校に進学。9年前から絵本を出版し、今回で13冊目となります。現在は日本とアラスカを行き来しながら、アラスカをテーマとした絵本を日本の子どもに向けて制作しています。
4月中旬までパネル展開催中
茅ケ崎駅北口の「長谷川書店・ネスパ茅ヶ崎店」で、4月中旬まで原画のパネル展を開催中。問い合わせは、長谷川書店【電話】0467-88-0008へ。