上荻野の古民家岸邸で五月人形の展示が始まった。戦前からの鎧兜12組が並び、レトロな電燈や欄間彫刻をちりばめた空間に溶け込んでいる。
展示されている五月人形の多くは周辺の住民の家々で飾られ、子どもが成長したり、独立した後に寄贈されたもの。一つずつに寄贈者のコメントが添えられている。
金具が鈍く光る昭和初期の品には「戦火を逃れて今に至るまで虫にくわれることなく保存され、深く心に感じるものがある(三田南の住民)」。大きな段飾りには「昭和36年頃、飾った時の長男の喜ぶ顔が今でも忘れられません(栄町の住民)」とある。展示作業に参加した女性は「団地だったから鎧が小さいけど、展示されて嬉しい」と笑顔を見せた。
4月25日(月)、26日(火)、5月2日(月)、6日(金)を除く8日(日)まで。詳細はあつぎ郷土博物館【電話】046・225・2515。